FXを始めたばかりの頃、私はある小さな成功体験にすっかり舞い上がっていました。
当時私は、FXとバイナリーオプションを同時並行で実践していたのですが、お試しで使ったバイナリーツールで、9,000円がわずかな時間で16,000円以上になったのです。
「これなら自分でも勝てるかもしれない」
そう思いました。
いや、正確には、
「これさえあれば勝てる」
と思っていたのだと思います。
ところが、その後の私は、たった5分ほどの間に7万円以上を失うことになります。
今振り返ると、あの経験には、FX初心者が陥りやすい失敗がいくつも詰まっていました。
今回は、私自身の失敗を振り返りながら、
- なぜ最初の成功体験で判断を誤ったのか
- なぜ負けると取り返したくなったのか
- なぜ次々と手法を探すようになったのか
- そこから何を見直したのか
について書いてみたいと思います。
- 最初の成功体験が、私の判断を変えてしまった
- そして、たった5分で7万円以上を失った
- 一番怖かったのは「負けたこと」だけではなかった
- 「取り返したい」が、さらに判断を狂わせた
- その後も私は「正解の手法」を探し続けた
- 「勝てる方法」を探しているのに、なぜか苦しくなる
- 初心者の頃は「負けた理由」を手法だけに求めていた
- 失敗を記録すると、自分の癖が見えてきた
- 失敗を「自分はダメだ」で終わらせない
- ただし、失敗のたびにルールを増やせばいいわけではない
- FX初心者が最初に資金を減らしやすい理由
- ポジポジ病も、最初は「もっと取らなければ」から始まった
- 初心者の頃の自分に一つだけ伝えるなら
- 「勝つこと」だけを目標にすると、負けたときに苦しくなる
- 失敗を減らすより、「失敗したときに崩れない」こと
- 私が7万円を失った経験は、無駄だったのか
- 失敗したら、すぐ次の手法を探す前に
- 最後に
最初の成功体験が、私の判断を変えてしまった
最初に9,000円が16,000円以上になったとき、私は本当に嬉しかったです。
短時間でお金が増える。
しかも、サインに従っているだけでいい。
当時の私には、それがとても魅力的に見えました。
「これなら家計の足しにできるかもしれない」
「小遣いも増やせるかもしれない」
「今までのお金の不安も何とかできるかもしれない」
そんな期待まで膨らんでいきました。
今思えば、ここで一つ目の勘違いをしていたのだと思います。
一度うまくいったことと、長期的に安定して続けられることは別です。
でも、当時の私はそこを区別できていませんでした。
一度勝った。
だから次も勝てる。
そう思ってしまったんです。
そして、たった5分で7万円以上を失った
ある日、ツールのサインと逆方向に値が動きました。
「おかしい」
そう思いました。
本来なら、その時点で一度冷静になればよかったのでしょう。
でも私は、最初の成功体験を強く信じていました。
そこで、最初とは反対方向へエントリー。
ところが、今度は値動きが再び反転しました。
焦った私は、さらに金額を大きくしてエントリーしました。
そしてまた逆へ。
気がつけば、わずか5分ほどの間に7万円以上を失っていました。
手は震えていました。
涙も出ました。
何が起きたのか、すぐには理解できませんでした。
今振り返っても、あのときの感覚は忘れられません。
一番怖かったのは「負けたこと」だけではなかった
もちろん、7万円という金額は大きな損失でした。
でも、後になって考えると、本当に怖かったのは金額だけではありませんでした。
負けた瞬間に、自分の判断までおかしくなっていたことです。
最初は、
「このツールなら勝てる」
と思っていた。
負けると、
「こんなはずはない」
と思った。
そして、
「次で取り返せばいい」
となった。
つまり、
勝つ → 信じる → 負ける → 否定する → 取り返そうとする
という流れになっていたんです。
今なら、この状態でさらにトレードを続けることがどれほど危ないか分かります。
でも当時は、冷静に考える余裕がありませんでした。
「取り返したい」が、さらに判断を狂わせた
損失を出した後に、
「このまま終われない」
と思ったことを覚えています。
7万円を失った。
ならば、7万円取り返せば元に戻る。
頭の中では、そんな単純な計算になっていました。
でも、相場はそんなふうには動いてくれません。
損失を出した後だからといって、次のトレードが有利になるわけではありません。
それなのに私は、
「次こそ」
と考えていました。
今振り返ると、この「取り返したい」という気持ちは、その後の私のトレードにも何度も登場します。
そして、この感情は私にとって、FXで長く付き合うことになった大きな課題でした。
「負けを取り返したい」という気持ちがなぜ強くなってしまうのかについては、こちらの記事でも詳しく書いています。

その後も私は「正解の手法」を探し続けた
7万円を失ったからといって、すぐにFXをやめたわけではありません。
むしろ逆でした。
「今回はツールが悪かっただけ」
「もっと良い方法があるはず」
「今度こそ勝てる手法を見つけよう」
そんな気持ちになりました。
そして私は、
新しいインジケーター。
別の手法。
別の教材。
別のトレード方法。
いろいろなものを探すようになりました。
勝てる日もありました。
だからこそ、やめられませんでした。
「これならいける」
と思っては負ける。
するとまた別のものを探す。
そんなことを繰り返していました。
「勝てる方法」を探しているのに、なぜか苦しくなる
当時は、
「もっと勉強しなければ」
と思っていました。
だから、情報を増やしました。
知識も増えました。
でも、トレードは楽になりませんでした。
むしろ、
「これも覚えなければ」
「あれも見なければ」
というものが増えていきました。
今思えば、私は「足りないもの」を探し続けていたのだと思います。
でも、FXで負けているときに必要なのは、いつでも新しい知識とは限りません。
場合によっては、
余計なものを減らすこと
の方が大切なこともあります。
このことに気づくまで、私はかなり遠回りしました。
初心者の頃は「負けた理由」を手法だけに求めていた
当時の私は、
「この手法では勝てなかった」
となると、
「では別の手法を探そう」
と考えていました。
でも、今振り返ると、
「その手法を自分がどう使っていたのか」
という視点が抜けていました。
ルールを守れていたのか。
ロットは適切だったのか。
損切りを受け入れられていたのか。
負けた後に冷静だったのか。
そもそも、自分がその手法を十分に理解し、検証していたのか。
そういったことを考える前に、
「もっと良い手法」
を探していたんです。
失敗を記録すると、自分の癖が見えてきた
そんな私が少しずつ変わっていったきっかけの一つが、トレードを記録することでした。
最初は単純に、
「勝った」
「負けた」
くらいしか書いていませんでした。
でも、それだけでは自分の問題が見えてきません。
そこで、
「なぜここで入ったのか」
「エントリー前はどんな気持ちだったか」
「損切り後に何を考えていたか」
「ルールを守れたか」
といったことも書くようになりました。
すると、少しずつ自分の癖が見えてきました。
焦っていた。
取り返したかった。
根拠が弱いのに入っていた。
負けた後ほど、トレード回数が増えていた。
そういうことが、記録として残るようになったんです。
失敗を「自分はダメだ」で終わらせない
負けたとき、
「自分には才能がない」
と思ってしまうことがあります。
私も何度もそう思いました。
でも、
「自分はダメだ」
だけで終わってしまうと、次のトレードに何も残りません。
そこで私は、
「今回の失敗から、何が分かっただろう?」
と考えるようになりました。
たとえば、
「負けた直後はトレードを続けない方がいい」
と分かったなら、それを自分のルールにする。
「根拠が曖昧なエントリーが多い」
と分かったなら、エントリー条件を整理する。
「ロットを感情で変えていた」
と分かったなら、固定する。
そうやって一つずつ修正していく。
それなら、失敗したことにも意味を持たせられます。
ただし、失敗のたびにルールを増やせばいいわけではない
ここは、今の自分だからこそ強く感じていることです。
昔の私は、失敗するたびに、
「じゃあ、このルールも追加しよう」
と考えていました。
それを繰り返すと、ルールがどんどん増えていきます。
そして、今度は何を守ればいいのか分からなくなる。
だから現在は、
失敗したからといって、すぐ新しいルールを増やすのではなく、その失敗が本当に繰り返し起きているのかを確認する
ことも大切だと思っています。
一回の負けだけで手法を変える必要はありません。
一回の失敗だけで、自分を否定する必要もありません。
まず記録する。
そして、ある程度の回数を振り返る。
その中から、本当に直す必要があるものを見つける。
私自身、この考え方ができるようになってから、以前ほど「失敗するたびに何かを足す」ということをしなくなりました。
FX初心者が最初に資金を減らしやすい理由
私自身の経験を振り返ると、最初に資金を減らした原因は一つではありませんでした。
最初の成功体験。
大きな期待。
ルールの曖昧さ。
無理なエントリー。
損失後の「取り返したい」という気持ち。
そして、次々と新しい手法を探したこと。
こうしたものが重なっていたと思います。
FX初心者が最初に資金を減らしやすい理由については、別の記事でより整理してまとめています。
もし、
「自分も似たようなことをしているかもしれない」
と思った方は、こちらも参考にしてみてください。

ポジポジ病も、最初は「もっと取らなければ」から始まった
私の場合、ポジポジ病も突然始まったわけではありません。
「今なら取れるかもしれない」
「このチャンスを逃したくない」
そんな気持ちが積み重なって、いつの間にかエントリー回数が増えていました。
一度負ければ、
「次で取り返したい」
となる。
勝てば、
「もう一回取れるかもしれない」
となる。
こうして、チャートを見ている限り、何かしらの理由をつけて入りたくなっていました。
だから私は後になって、
「もっと入る方法」ではなく「余計なエントリーをどう減らすか」
を考えるようになりました。
ポジポジ病がなかなか治らなかった私が、そこから何を変えたのかについてはこちらにまとめています。

初心者の頃の自分に一つだけ伝えるなら
もし、FXを始めたばかりの頃の自分に一つだけ伝えられるとしたら、
「早く勝てる方法を探し続けなくていい」
と伝えたいです。
もちろん、勉強は必要です。
手法を学ぶことも必要です。
検証することも必要です。
でも、
「これさえ見つかれば勝てる」
というものを探し続けるのは、少し違ったのかもしれません。
私の場合、それを探している間に、
自分がなぜ負けているのか
という大事な部分から目をそらしていました。
「勝つこと」だけを目標にすると、負けたときに苦しくなる
初心者の頃は、
「今日は勝てた」
「今日は負けた」
という結果ばかり気にしていました。
でも、今は少し違います。
もちろん利益は大切です。
FXをしている以上、利益を目指すことは自然です。
ただ、
「今日勝ったか」
だけで自分のトレードを評価すると、負けた日のすべてを否定したくなります。
そこで、
「今日はルールを守れたか」
「無駄なエントリーを減らせたか」
「損切りを予定どおり受け入れられたか」
という見方もするようになりました。
結果が損失だったとしても、そこに次につながる材料がある場合があります。
逆に、利益が出ていても、無理なトレードだったなら、そのまま真似していいとは限りません。
失敗を減らすより、「失敗したときに崩れない」こと
FXを始めたばかりの頃は、
「失敗しない方法」
を探していました。
でも、相場である以上、失敗をゼロにすることはできません。
どれだけ検証しても負けることはあります。
ルールどおりにトレードしても損切りになることはあります。
だから今は、
失敗をなくすことより、失敗したときに大きく崩れないこと
も大切なのではないかと思っています。
そのためには、
損失を受け入れられるロットにする。
ルールを決める。
負けた直後に無理をしない。
記録を残す。
そして、必要なら一度チャートから離れる。
こうした地味なことの積み重ねなのだと思います。
私が7万円を失った経験は、無駄だったのか
もちろん、7万円は戻ってきません。
「あのとき失わなければよかった」
と思うこともあります。
でも、あの経験から、
「自分は損失を出したとき、こういう行動を取る」
ということを知りました。
そして、その後の失敗も含めて、
「自分はどういうときに焦るのか」
「どういうときにルールを破りやすいのか」
を少しずつ知ることができました。
だから今では、
失った7万円を正当化するつもりはありませんが、その失敗から何も学ばなかったことの方が、もっと大きな損失だった
と思っています。
失敗したら、すぐ次の手法を探す前に
もし今、トレードで負け続けているなら。
そして、
「この手法が悪いのかな」
「もっと勝率の高い方法があるのかな」
と思っているなら。
すぐに新しい手法を探す前に、一度だけ自分のトレードを振り返ってみてもいいかもしれません。
なぜ入ったのか。
なぜ損切りしたのか。
その後どうしたのか。
そのとき、どんな感情だったのか。
もしかすると、手法そのものではなく、自分の行動の中に繰り返しているパターンがあるかもしれません。
最後に
FX初心者だった頃の私は、
「勝てる方法さえ見つかれば、すべてが変わる」
と思っていました。
だから、最初にうまくいったツールを信じました。
負ければ別の方法を探しました。
また負ければ、さらに新しいものを探しました。
そして、そのたびに「今度こそ」と思いました。
でも、長い時間をかけて気づいたのは、
「何を使うか」だけではなく、「それを使う自分がどう行動するか」も同じくらい大切だった
ということでした。
7万円を失ったあの日の私は、
「どうすれば取り返せるか」
しか考えていませんでした。
今なら、
「なぜ自分は、あんな行動をしたのか」
を考えます。
その違いは、私にとって小さくありませんでした。
もちろん、今でも失敗します。
今でも判断を迷うことがあります。
それでも以前とは少し違って、
「負けた。だから次はもっと大きく張ろう」
ではなく、
「今回のトレードから何を確認できるだろう」
と考えられる場面が増えました。
そして、私が長い遠回りの中で最後に考えるようになったのは、
「どうすれば勝てるか」
だけではありませんでした。
「どうすれば、負けたときに自分まで崩れずに済むのか」
ということでした。
その過程については、こちらの記事にまとめています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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