FXで負けたとき、こんなことを考えた経験はないでしょうか。
「このまま終わりたくない」
「あと1回だけトレードすれば、今日の負けは取り返せる」
「ここで勝てばプラマイゼロに戻せる」
「さっきの負け分くらい、次のトレードで取り返したい」
頭では、
「感情的になってはいけない」
「負けた後こそ冷静にならなければいけない」
そう分かっている。
それなのに、なぜかチャートを閉じられない。
そして気がつけば、普段ならエントリーしないような場所でポジションを持っている。
さらに負ける。
「まずい……」
そう思いながら、今度はさらに「取り返したい」という気持ちが強くなる。
FXで勝てない時期には、こうした経験が何度も繰り返されることがあります。
私自身も、かつてはそうでした。
今回は、そんな**「FXで取り返したい気持ちを抑えられない理由」**について、少し違った角度から考えてみたいと思います。
「お金を取り戻したい」だけではない
まず、ここが意外と大事なところだと思っています。
「取り返したい」という感情は、単純に
「お金が減ったから、お金を増やしたい」
だけではないのではないでしょうか。
もちろん、それもあります。
でも、実際に苦しいのは、損失額そのものだけではありません。
たとえば、
1万円負けた。
すると、
「1万円減った」
という事実と同時に、
「自分の判断は間違っていた」
「また負けた」
「せっかくここまで頑張ったのに」
「今日は勝てると思っていたのに」
そんな感情まで一緒についてきます。
つまり、私たちが取り返そうとしているものは、お金だけではないことがあります。
「負けたという事実そのものを消したい」
という気持ちが、いつの間にか混ざってくるのです。
ここが、FXで「取り返したい」を抑えることが難しい理由の一つなのかもしれません。
「取り返す」という言葉が、すでに危険なのかもしれない
私は、この問題を考えるとき、
「取り返す」という言葉そのもの
にも注意が必要だと思っています。
なぜなら、「取り返す」と考えた瞬間、次のトレードの目的が変わってしまうからです。
本来なら、
「このトレードには自分のルール上、期待値があるだろうか」
と考えるはずでした。
ところが、
「さっきの1万円を取り返せるだろうか」
に変わってしまう。
この2つは似ているようで、まったく違います。
前者は相場を見ている。
後者は自分の損失を見ている。
チャートに同じ値動きがあったとしても、見ているものが変われば判断も変わってしまいます。
だから「取り返したい」という感情が強くなったときには、エントリー条件以前に、すでに自分の視点が相場から離れてしまっている可能性があります。
なぜ「あと1回」が怖いのか
「取り返したい」と思ったとき、よく出てくる言葉があります。
「あと1回だけ」
これがなかなか厄介です。
「あと1回だけなら……」
そう思うと、何となく大きなことをしている感覚がなくなります。
しかし、考えてみれば、
「あと1回だけ」という言葉には、
今のトレードを“取り返すための特別なトレード”にしてしまう
危険があります。
普段なら、
「条件が揃わなければ見送ろう」
と思える場面でも、
「このくらいなら入ってもいいか」
となってしまう。
そして、もし負ければ、
「じゃあ、もう1回……」
となる。
ここから先は、相場との勝負というより、
自分の中に生まれた損失を消したい感情との勝負
になってしまいます。
「負けを終わらせたい」が、トレードを終われなくする
これも、私自身が何度も苦しんだところです。
負けた日は、
「今日はもうやめよう」
と思う。
でも、画面を閉じようとすると、
「でも、まだ取り返せるかもしれない」
という気持ちが出てくる。
そして、もう一度チャートを見る。
すると、たまたまエントリーできそうな形が見える。
「これならいけるかもしれない」
そう思って入る。
ところが負ける。
すると、
「さすがにここで終われない」
となる。
こうなると、最初の負けよりも、その後の行動によって損失が膨らんでいきます。
怖いのは、最初から「無茶をしよう」と思っているわけではないことです。
一回一回には、それなりの理由があります。
だからこそ、自分でも止めにくい。
「負けた自分を否定したくない」という気持ち
もう一つ、私がとても大きかったと思うのが、
「自分の負けを認めたくない」
という感情です。
もちろん、誰だって負ければ嫌です。
FXを始めたばかりなら、
「また損切りになった」
だけでもかなり落ち込みます。
少し経験を積んでくると、
「ここは勝てると思ったのに」
という悔しさも出てきます。
さらに、
「自分はこれだけ勉強してきた」
「検証もしてきた」
「今回は自信があった」
というものが積み重なるほど、負けを受け入れることが難しくなる場合があります。
すると、
「負けた」という事実を受け入れる代わりに、「次で勝って帳消しにしよう」と考えてしまう。
これは、お金を取り戻したいというより、
「間違っていなかったことにしたい」
という気持ちに近いのかもしれません。
FXで勝てないときほど「今日」という時間に縛られる
そして、もう一つ見落としやすいものがあります。
それが、
「今日の収支」
です。
たとえば、
午前中に1万円負けた。
すると、
「今日はマイナス1万円だ」
という数字が頭から離れなくなる。
本来なら、FXは一日単位で勝敗を決める必要はありません。
それでも、
「今日の負けを今日のうちに戻したい」
と思ってしまう。
すると、時間的な制限まで自分で作ってしまいます。
「今日はあと2時間しかない」
「NY時間なら動くかもしれない」
「ここで取れればプラスに戻せる」
そうやって、相場ではなく時計を見ながらトレードするようになる。
これも、「取り返したい」という感情が強くなったときに起こりやすいことだと思います。
「損失」ではなく「未完了の仕事」になってしまう
私は、「取り返したい」という感情を考えるうえで、
負けが“未完了の仕事”のように感じられること
も大きいのではないかと思っています。
たとえば、
今日の目標が+1万円だった。
ところが結果は-1万円。
すると、
「まだ終わっていない」
という感覚になる。
本当は、そこで一日が終わってもいい。
-1万円という結果を受け入れて、次の日を迎えてもいい。
でも、
「本来+1万円だったはず」
という自分の中の予定と現実がズレている。
そのズレを埋めたくなる。
だから、
「もう一度やれば戻せる」
と考えてしまう。
でも相場には、
「今日中に帳尻を合わせなければならない」というルールは存在しません。
これは頭では分かっていても、感情になると忘れてしまいます。
「取り返す」から「取り戻すべきではない」に変える
ここまで読んで、
「じゃあ、どうすれば取り返したい気持ちを抑えられるの?」
と思われるかもしれません。
ただ、ここでは具体的なリベンジトレード対策を細かく並べることは、あえてしません。
というのも、このテーマについては、以前の記事でかなり踏み込んで書いたからです。
むしろ今回、伝えたいのはその一歩手前。
「取り返したい」と思った自分を、まず責めないでほしい
ということです。
「また感情的になってしまった」
「自分はメンタルが弱い」
「どうしてルールを守れないんだ」
と、自分を責めてしまうと、
今度はその自己嫌悪まで取り返したくなります。
すると、
「次こそ完璧にやろう」
と力が入りすぎる。
そして、また崩れる。
だから最初に必要なのは、
「取り返したいと思った自分には、そうなるだけの理由があったんだな」
と、一度立ち止まって眺めることなのかもしれません。
ここから先は、「取り返したい」を止めるための具体策へ
ここまで読んで、
「自分がリベンジトレードをしてしまう理由が、少し分かった気がする」
そう感じた方もいるかもしれません。
そして、もし今、
「理由は分かった。でも、実際に負けた瞬間になると、やっぱり取り返したくなる」
と思っているなら――。
そこから先は、もう一段具体的な話になります。
実は私自身も、
「負けたら冷静になればいい」
「感情的にならなければいい」
そんな簡単な話では済みませんでした。
頭で理解しているのに、手が動いてしまう。
「今日はもうやめよう」と思った直後に、またチャートを開いてしまう。
そして、あとになって、
「なぜあそこで入ったんだろう」
と自分に問いかける。
そんなことを繰り返していました。
だからこそ、もしあなたが今、
「取り返したい気持ちを、理屈では分かっているのに止められない」
ところまで来ているのなら、ここから先は単なる精神論ではなく、もう少し具体的な対策が必要になると思います。
そこで、私自身が連敗後のリベンジトレードに苦しんだ経験をもとに、実際にどう向き合っていったのかを、別の記事にまとめています。

この記事で「なぜ取り返したくなるのか」が見えてきたなら、次に知ってほしいのは、
「その気持ちが出てきた瞬間、どうやって自分を止めるのか」
ということです。
私は、ここを知らないまま「メンタルを強くしよう」と頑張っていた頃が、一番苦しかった。
意志の力だけで何とかしようとして、何度も失敗しました。
もしあなたも、
「もうリベンジトレードはやめたい」
「負けた後に自分を見失うのを終わらせたい」
「分かっているのに、また取り返そうとしてしまう自分を何とかしたい」
そう思っているなら。
ぜひ、もう一歩だけ先まで読んでみてください。
「取り返したい」と思った瞬間に、自分を責めるのではなく、自分を守れるようになるために。
私が連敗後のリベンジトレードを防ぐために実際に向き合った方法を、こちらの記事でまとめています。
取り返せない日があってもいい
FXを続けていると、
「今日は負けた」
という日が必ずあります。
どれだけ勉強しても、検証しても、手法を磨いても、負ける日はあります。
だから本当は、
「負けた日を、負けたまま終える」
ことも、トレードの一部なのだと思います。
-1万円を、
「+1万円に戻さなければ終われない」
と考える必要はありません。
-1万円なら、
「今日は-1万円だった」
それだけでいい。
その数字を受け入れて、チャートを閉じる。
次の日になれば、また新しい相場が始まります。
昨日の-1万円を取り返すために、今日トレードする必要はありません。
今日のトレードには、今日のトレードとして向き合えばいい。
この感覚が少しずつ身についてくると、
「取り返さなければ」
という焦りから、ほんの少し距離を置けるようになるのではないでしょうか。
まとめ
今回の記事では、FXで「取り返したい」と思ってしまう理由について考えてみました。
取り返したくなる背景には、
- 減ったお金を戻したい
- 負けたという事実を消したい
- 自分の判断を間違いにしたくない
- 今日の収支をプラスに戻したい
- 「あと1回だけ」と思ってしまう
- 負けを未完了の仕事のように感じてしまう
そんな複数の感情が絡んでいることがあります。
だから、
「リベンジトレードをする人=意志が弱い人」
と簡単に考えないでほしいのです。
少なくとも私は、そう考えないようになりました。
大切なのは、
「なぜ自分は、そこまでして取り返したくなるのか」
を知ること。
その原因が少し見えてくれば、次に取るべき対策も見えてきます。
そしてもし、あなたが今、
「理由は分かった。でも、負けた直後になると止まれない」
という状態なら、そこで諦めないでください。
私も、そこから先で何度も失敗しました。
だからこそ、次の記事では「気をつけよう」という精神論ではなく、連敗後にリベンジトレードへ向かってしまう自分を、どうやって止めていったのかについて書いています。
FXで勝ちきれない時期は、負けることそのものよりも、
「負けを取り返そうとして、さらに自分を苦しめてしまうこと」
のほうが辛いことがあります。
もし今、そのループから抜け出したいと思っているなら。
一度、こちらの記事まで読んでみてください。

「取り返さなければ」と焦っていた自分から、ほんの少し離れるきっかけになるかもしれません。
本日も、お読みいただき有難うございました。

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