FXを続けていると、
「もっと勝てる手法があるんじゃないか」
「この相場なら、別の手法も使えるんじゃないか」
「せっかく動いているのだから、できるだけチャンスを取りたい」
そんな気持ちになることはないでしょうか。
かつての私は、まさにそうでした。
スキャルピングをやってみたかと思えばデイトレード。
トレンドフォローを試したかと思えば、今度は逆張り。
通貨ペアも増やし、時間足も増やし、インジケーターもいろいろ試していました。
今振り返ると、私は「勝てる手法を探していた」というより、「相場にあるチャンスを全部取りたい」と考えていたのだと思います。
そんな私が、「一つに絞って待つ」という意味を少しずつ理解するようになったきっかけは、意外にもFXとはまったく関係のない、休日のウォーキングでした。
FXで手法を増やし続けていた頃の私
私は休日の朝、ウォーキングをすることがあります。
普段は仕事に追われ、チャートを見たり、あれこれ考えたりする時間が多いので、自然の中を歩く時間は、頭を切り替える大切な時間でもあります。
山や川に囲まれた道を歩いていると、いろいろな鳥の声が聞こえてきます。
その中でも、特に印象に残っているのがイソヒヨドリのさえずりでした。
とてもきれいな声なんです。
ところが、面白いことに気づきました。
「今日はイソヒヨドリの声を聞こう」
そう思って歩いていると、その声がはっきり聞こえる。
でも、特に意識せず歩いていると、たくさんの鳥の声が一つの「自然の音」として聞こえているだけで、その美しい声に気づかないことがあるんです。
そこで、ふと思いました。
目的を持って聞いているから、聞こえるものがある。
そして、そのことがFXと重なりました。
「全部のチャンスを取りたい」が迷走の始まりだった
負けてばかりだった頃の私は、
「今日は勝ちたい」
「何とか取り返したい」
「せっかくチャートが動いているんだから、取れるところは取らないと」
そんなことばかり考えていました。
だから、いろいろな場所を見ていました。
いろいろな通貨ペア。
いろいろな時間足。
いろいろなインジケーター。
いろいろな手法。
一見すると、勉強熱心だったのかもしれません。
でも、今になって思うのは、「何でも知っていること」と「自分が何を狙うのかが明確であること」は、まったく別だったということです。
私は、相場にあるチャンスを一つでも多く取ろうとしていました。
ところが、そうすると、
「これは自分の得意な形なのか?」
「本当に今、入る必要があるのか?」
という基準がどんどん曖昧になっていきます。
そして、曖昧になればなるほど、エントリーする理由を後から作るようになっていました。
今なら分かります。
私が必要としていたのは、もっと多くの手法ではありませんでした。
「自分は何を狙うのか」を絞ることだったんです。
鳥のさえずりから気づいた「目的を持って待つ」ということ
ウォーキングをしながら、
「イソヒヨドリの声を聞こう」
と意識していると、今まで聞き流していた声が聞こえてきます。
これは、FXでも似ているのではないかと思いました。
何でも取ろうとするのではなく、
「自分が狙っている形はこれ」
と決めておく。
すると、それ以外の値動きは「チャンス」ではなく、「対象外」として見ることができます。
もちろん、相場にはいろいろなチャンスがあります。
自分の手法とは違う場所で、大きく動くこともあります。
そのとき、
「うわ、取れたのに」
と思うこともあります。
以前の私は、そこで「次は別の手法も使えるようにしよう」と考えていました。
でも、それを繰り返していくと、結局また元の迷路に戻ってしまいます。
「取れたかもしれない」
と
「自分が取るべきだった」
は、同じではありません。
この違いを意識できるようになったことは、私にとってかなり大きかったと思います。
FXでも「狙う形」を一つに絞ってみた
そこで私は、自分が相場で狙う形を、できるだけシンプルにすることにしました。
私の場合は、
「上位足のトレンドの押し目・戻り目を、下位足で狙う」
という形です。
ここで大切なのは、この手法が誰にとっても正解だという話ではありません。
人によって得意な形は違います。
スキャルピングが合う人もいるでしょう。
スイングトレードが合う人もいるでしょう。
FX初心者
逆張りを得意とする人もいると思います。
私が言いたいのは、
「自分が検証して、これなら繰り返せると思える形を持つ」
ということです。
一つに絞ると、当然ながら見送る場面が増えます。
以前なら、
「せっかく動いているのに」
と思っていた場面でも、
「これは自分の出番ではない」
と考えられるようになりました。
そして、不思議なことに、エントリーしないことへの抵抗も少しずつ減っていきました。
手法を絞ると、ポジポジ病との付き合い方も変わった
ここは、今振り返るとかなり大きな変化でした。
以前は、
「何かチャンスはないかな」
という目でチャートを見ていました。
すると、少し動いただけでも、
「これ、入れるんじゃないか?」
と考えてしまいます。
その積み重ねが、ポジポジ病につながっていたのだと思います。
でも、
「自分が狙うのは、この形」
と決めてからは、
「この形ではない」
という理由で見送れるようになりました。
つまり、
エントリーする理由を探すのではなく、エントリーしない理由を確認する。
そんな見方に変わったんです。
もし今、
「今日はノートレードにするつもりだったのに、気づいたらエントリーしていた」
「根拠が薄いことは分かっているのに、なぜか押してしまう」
ということがあるなら、私自身がポジポジ病と向き合ってきた過程も参考になるかもしれません。

「もっと入りたい」という気持ちを無理やり抑えるよりも、そもそも「自分は何を待っているのか」を明確にする。
私には、そのほうが少し取り組みやすい方法でした。
「一つに絞る」は、聖杯を見つけることではない
ここは誤解してほしくないところです。
「一つに絞る」と言っても、
「この手法さえ使えば勝てる」
という意味ではありません。
私自身、昔はそう考えていました。
「もっと勝率の高い手法があるんじゃないか」
「もっと簡単に勝てる方法があるんじゃないか」
そんなことばかり考えていました。
でも、いろいろ遠回りした結果、少しずつ分かってきたのは、
手法を増やすことより、一つの手法を検証して、自分のものにしていくことのほうが大切なのではないか
ということでした。
もし今も、
「まだ知らない手法がある気がする」
「もっと情報を集めなければ」
という感覚が抜けないのであれば、昔の私と同じような状態かもしれません。

情報を集めること自体が悪いわけではありません。
ただ、情報が増えるほど判断が複雑になっているなら、一度立ち止まってみてもいいのではないでしょうか。
迷ったときは「自分が狙う形」に戻ってみる
今でも、相場を見ていて、
「ここも取れたんじゃないか」
と思うことはあります。
それは、たぶんこれからもゼロにはならないでしょう。
相場は、後から見るといくらでも「取れた場所」が見つかるからです。
でも、
「取れた場所」
と
「自分が狙う場所」
は違います。
ここを混同すると、また手法を増やしたくなります。
そして、手法を増やせば増やすほど、
「これはどの手法で見るんだ?」
「今はどの時間足を優先するんだ?」
と、判断そのものが複雑になってしまいます。
だから、迷ったときほど私は、
「自分が狙う形は何だったか?」
に戻るようにしています。
鳥の声も、最初から全部を聞き分けようとする必要はありませんでした。
「この声を聞こう」
と決めて歩いていると、今まで気づかなかった声が、自然と耳に入ってきました。
FXも、それと少し似ているのかもしれません。
全部を取ろうとするのではなく、
自分が狙うものを決めて、そこまで待つ。
それだけでも、チャートとの向き合い方は少し変わってくるように思います。
私自身、ここにたどり着くまでには、かなり遠回りをしました。
手法を渡り歩いたり、情報を集めたり、何でも取ろうとしたり。
その過程については、こちらの記事にまとめています。

もし今、
「いろいろ勉強しているのに、なぜかトレードが安定しない」
「手法を増やしているのに、むしろ迷いが増えている」
という状態なら、一度「何を増やすか」ではなく、
「何を捨てるか」
を考えてみてもいいのかもしれません。
私にとっての「イソヒヨドリの声」のように、
あなたにも「これは自分が狙う形だ」と思えるものが、少しずつ見えてくるといいなと思っています。
本日も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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