先日、ちょっとした「ぜいたく」をしてきました。
といっても、高級レストランへ行ったわけではありません。
ステーキです。
しかも、誰かと一緒ではありません。
自分のためだけの食事です。
向かったのは、尾張美濃地方ではおなじみの「ステーキのあさくま」。
高級店というより、どちらかといえばファミリー向けのお店ですが、私にとっては、こういう場所がちょうどいい。
名物のサラダバーやコーンスープもありますし、糖質量を気にしている私としては、食事を楽しみながらも、米を食べすぎないように調整できるのもいい。
何より、客層も比較的落ち着いていて、一人で自分の時間を過ごすには、なかなか居心地がいいんです。
そして、この日の目的はただ一つ。
一か月間、マイルールを守ってトレードを続けた自分へのご褒美でした。

300グラムのサーロインを、誰にも気を遣わずに食べる
この日は、誰も連れていきませんでした。
自分一人。
自分のためだけの料理。
自分のためだけの時間。
こういう時間は、考えてみれば久しぶりでした。
注文したのは、300グラムのサーロインステーキ。
せっかくのご褒美です。
この日くらいは、欲望の赴くままに食べてもいいだろう。
そう思って、豪華なサラダバーも一緒に楽しみました。
お肉を食べながら、
「うまいなあ……」
と、しみじみ。
そして、もう一つ感じていたことがあります。
「自分は、これを食べてもいいだけのことをやったんだな」
という感覚です。
もちろん、たかがステーキです。
これを食べたからといって、トレードが上手くなるわけではありません。
翌月も利益が出る保証なんて、どこにもありません。
それでも私は、この日のステーキには、普段食べるステーキとは少し違う意味があるように感じていました。
「勝ったからご褒美」ではありません
ここが、今回一番お伝えしたいところです。
私は、
「一か月勝ったからステーキを食べた」
わけではありません。
一か月間、毎回勝ち続けたわけでもありません。
負けたトレードもあります。
損切りになったトレードもあります。
「これは入りたかったな」という場面もあれば、
「本当にここは見送ってよかったのか?」
と迷う場面もありました。
それでも、
決めたマイルールから外れない。
そこだけは守った。
だから、ご褒美をあげました。
これは私の中では、かなり大事な違いなんです。
もし「勝ったらご褒美」にしてしまうと、
勝つ
↓
うれしい
↓
ご褒美
という流れになります。
でも相場では、正しいトレードをしても負けることがあります。
逆に、ルールを破ったのに、たまたま勝つこともあります。
ここを混同すると、トレーダーとしてかなり危ないことになるのではないでしょうか。
ルールを破って勝ったことと、ルールを守って負けたこと
たとえば、
「本来なら入らない場所だけど、今日は行けそうな気がする」
そう思ってエントリーした。
そして、たまたま利益になった。
+5,000円。
うれしいですよね。
私も昔なら、
「やっぱり入ってよかった」
と思っていたと思います。
でも、その1回の勝ちには、
その手法に統計的な優位性があるという証拠はありません。
たまたま勝っただけかもしれないからです。
一方、
自分が検証してきた条件を満たした場所だけを、何十回、何百回と繰り返していく。
その結果、長期的に優位性が確認されている。
そのルールに従って今回もトレードした。
そして今回は負けた。
こちらは、一見すると「負け」です。
でも私は、こちらのほうがずっと価値のある行動だと思っています。
なぜなら、
一回の勝敗ではなく、統計的な優位性のある試行を一つ積み上げたからです。
これは、天と地ほど違うのではないでしょうか。
だから最近の私は、
「勝ったか、負けたか」
だけで、自分のトレードを評価しないようにしています。
「たまたま勝った自分」を褒めない
これは、自分自身への戒めでもあります。
もしルールを破ったトレードで、
「なんだ、勝ったじゃないか」
となってしまったら。
脳の中では、
「ルールを破る → 勝てることがある」
という経験になってしまいます。
そうなると、次に似た場面が来たとき、
「前もこれで勝ったから」
という理由で、またルールを破りたくなる。
そして、それが何度も積み重なっていく。
逆に、
「ルールを守った」
ことに価値を置いて、
「今日は負けたけれど、やるべきことはやった」
と評価できるようになれば、
今度は、
「ルールを守る → 自分との約束を果たせる」
という経験を積んでいけます。
私は、この違いをかなり大切にするようになりました。
だから私は「ご褒美」を使うことにした
ここで、少しだけ脳の話を。
以前、このブログでも「報酬系」や「ドーパミン・リワイヤリング」という考え方について触れたことがあります。
難しい脳科学の話を私が専門家のように語るつもりはありません。
ただ、報酬と学習の関係を知っていくと、
「自分が何をしたときに、自分へ報酬を与えるのか」
ということは、案外大切なのではないかと思うようになりました。
目先の利益だけを報酬にしてしまえば、
「勝った!」
という結果ばかりを追いかけてしまいます。
すると、
勝ちたい
↓
エントリーしたい
↓
チャンスを探す
↓
ルールを少し曲げる
という方向へ行ってしまうことがあります。
でも、
「ルールを守った」
「無駄なトレードをしなかった」
「待つべきところで待てた」
「損切りを動かさなかった」
そういった自分がコントロールできる行動に価値を置く。
そして、その積み重ねに対して自分なりのご褒美を用意する。
そうすれば少なくとも、
「何をした自分を褒めるのか」
を変えていくことはできます。
私にとって、今回のステーキはそのための小さな儀式でした。
ご褒美は「自分を甘やかすこと」ではなかった
そして今回、ステーキを食べながら、もう一つ気づいたことがあります。
それは、
これは自分を甘やかしているのではなく、自分を認めている時間なのかもしれない
ということでした。
FXをやっていると、どうしても自分に厳しくなります。
負ければ、
「何であんなところで入ったんだ」
勝っても、
「もっと取れたはずだ」
ルールを守れても、
「当たり前だろ」
と、自分の行動を評価しない。
これを繰り返していると、いつの間にか、
「自分は何をやっても足りない」
という感覚になってしまうことがあります。
私自身、以前はそういうところがありました。
だからこそ今は、
「できなかったこと」だけを見るのではなく、
「できたことも、ちゃんと自分で認めてあげる」
ということを意識しています。
一か月間、ルールを守った。
だったら、
「よくやった」
と言ってあげる。
それだけです。
誰かに認めてもらう必要もありません。
SNSに投稿する必要もありません。
まして、利益額を自慢する必要もない。
自分自身が、自分の努力を認めてあげればいい。
今回のステーキは、そんな意味での「自己肯定」の時間でもあったのだと思います。
自己肯定感は、「自分を好きになること」だけではないのかもしれない
私は以前まで、自己肯定感という言葉を、
「自分のことが好き」
「自分に自信がある」
というような意味で捉えていました。
でも、トレードを続けてきて、少し考え方が変わりました。
もしかすると自己肯定感というのは、
「自分は自分との約束を守れる人間だ」と思えること
にもつながっているのではないでしょうか。
もちろん、一度や二度ルールを守ったからといって、急に自信満々になるわけではありません。
でも、
今日は守れた。
今週も守れた。
一か月守れた。
また次の一か月もやってみよう。
そんな経験が積み重なっていく。
すると少しずつ、
「自分は、決めたことを守れるんだな」
という感覚が育っていく。
これは、トレードだけではなく、日常生活でも案外大きな力になるような気がしています。
「自分は大丈夫だ」と思える経験を、少しずつ増やす
そして、もう一つ大きかったのが、
自己肯定感です。
FXで負け続けていた頃の私は、何かあるたびに自分を疑っていました。
また負けた。
またルールを破った。
また余計なことをした。
自分は何をやってもダメなんじゃないか。
そんなことを繰り返していると、当然ですが、自分の判断に自信がなくなってきます。
そして自信がなくなると、
「もっと勉強しなければ」
「もっと良い手法を探さなければ」
「もっと勝てる方法があるんじゃないか」
と、また何かを探し始める。
私自身、かなり長い間、このループを回っていました。
だからこそ今は、
「自分との約束を守れた」
という経験を、少しずつ積み重ねることを大事にしています。
一か月守れた。
じゃあ、自分を褒めてあげよう。
また一か月守れた。
じゃあ、また少し何かをしてあげよう。
そんな小さな積み重ねです。
「自分は大丈夫だ」
と思える材料を、自分自身で増やしていく。
これも、長くトレードを続けるうえでは、意外と大切なことなのかもしれません。
そして、この考え方は「ポジポジ病」ともつながっている
ここで、以前の記事を読んでくださった方なら、少しつながるものがあるかもしれません。
私は以前、
「FXのポジポジ病が治らない理由|無駄なエントリーを減らすために変えたこと」
という記事を書きました。
そこで私がたどり着いたのが、
「この1回で勝とう」ではなく、「これは100回のうちの1回」
と考えることでした。
FXは、一回一回の結果だけを見れば、どうしても感情が動きます。
勝てば、
「もっといける」
負ければ、
「取り返したい」
となる。
でも、本来は一回の勝敗で優位性が決まるわけではありません。
何十回、何百回と同じ条件を繰り返していく中で、その手法の性質が見えてくる。
だからこそ、
「余計な一回」を減らすことにも意味があります。
今回の「ご褒美」という考え方も、実はここにつながっています。
私が褒めたいのは、
「利益を出した自分」だけではありません。
「余計なことをしなかった自分」も、ちゃんと褒めてあげたい。
そう思うようになったんです。

ルールを守ることは、地味すぎるくらい地味です
正直に言います。
一か月間マイルールを守ったからといって、何か劇的なことが起こるわけではありません。
チャートが急に読めるようになるわけでもない。
勝率が突然上がるわけでもない。
資金が一気に増えるわけでもない。
ただ、
「今日は入らなくてよかった」
「今日はここで損切りできた」
「今日は余計なことをしなかった」
そんな小さな出来事が積み重なっていくだけです。
でも私は、最近になって、この「地味さ」がものすごく大切なのではないかと思っています。
なぜなら、FXで長く生き残るために必要なのは、
一発の大勝ちではなく、優位性のある行動を繰り返せる自分
だからです。
「勝った」のではなく、「積み上げた」
今回のステーキを食べながら、私はそんなことを考えていました。
300グラムのサーロインを頬張りながら、
「自分、よくやったな」
と。
別に、一か月で大儲けしたわけではありません。
むしろ、トレードだけを見れば、淡々とやるべきことをやっただけです。
でも、それでいい。
私は今、
「大きく勝った自分」よりも、「崩れずに続けた自分」を評価したい。
そう思っています。
そして、これはこれからも続けたい。
一か月守れたら、ご褒美。
また守れたら、ご褒美。
もちろん毎回ステーキというわけにはいきませんが(笑)。
何か自分が喜ぶことをしてあげる。
そうやって、
「マイルールを守ると、ちゃんといいことがある」
という感覚を、自分の中に少しずつ根付かせていく。
私はこれを、単なる甘やかしとは思っていません。
むしろ、長くトレードを続けるための、自分なりの工夫です。
ルールを破って勝つより、ルールを守って負ける
最後に、今回の記事で一番伝えたかったことを一つだけ。
FXでは、
ルールを破って勝つことがあります。
そして、
ルールを守って負けることもあります。
だから、一回の結果だけを見れば、
「ルールを破ったのに勝った」
ほうが気分はいいでしょう。
でも、統計的な優位性を持つ手法を長期的に運用するのであれば、価値があるのは「その一回の勝ち」ではありません。
優位性があると検証した条件を、同じように繰り返すこと。
その一つ一つを積み重ねていくこと。
私は、そちらのほうにこそ本当の価値があると思っています。
だから、
ルールを守ったのに負けた日は、失敗の日ではありません。
むしろ、
「今日も自分の仕事をした」
と考えていいのではないでしょうか。
そして、
ルールを破って勝った日は、成功の日とは限りません。
「今回はたまたま助かっただけかもしれない」
と、一度立ち止まってみる。
この感覚を持てるようになったことは、私自身にとって、かなり大きな変化でした。
ご褒美は、勝敗ではなく「自分との約束」に
今回のステーキは、私にとって単なる外食ではありませんでした。
一か月間、マイルールを守った。
それに対して、
「よくやった」
と、自分に言ってあげる時間でした。
そして考えてみれば、これはFXに限った話ではないのかもしれません。
自分で決めたことを守った。
逃げずにやり切った。
以前ならできなかったことが、今回はできた。
そういう小さな事実を、
「まあ、これくらい当たり前だ」
と流してしまうのではなく、
「自分、ちゃんとできたじゃないか」
と認めてあげる。
それだけでも、自分に対する見方は少し変わってくるのではないでしょうか。
誰かに褒めてもらう必要もない。
SNSで報告する必要もない。
利益額を自慢する必要もない。
ただ、自分だけが、
「今月はちゃんとやったな」
と思えれば、それで十分です。
ステーキを食べながら、私はそんなことを考えていました。
そして、食べ終わって店を出たとき、
「また来月も、ここに来られるように頑張ろう」
と、少しだけ思いました。
たぶん、それでいいのだと思います。
大きな目標を掲げて、自分を追い込むだけではなく。
一か月という小さな区切りを作って、
守れたら喜ぶ。
守れなかったら、また考える。
そして、また次の一か月へ向かう。
そんな繰り返しの先に、
「自分はちゃんとルールを守れる人間なんだ」
という感覚が少しずつ育っていけば。
それは、目先の数千円、数万円の利益よりも、ずっと長く自分を支えてくれるものになるのかもしれません。
今回のステーキは、そのことを改めて教えてくれた、私にとってちょっと贅沢な一日でした。
そして何より、
自分が自分を認めてあげられる時間を、ちゃんと自分で作ってあげる。
それもまた、トレードを続けていくための大切な「ルール」の一つなのかもしれません。
次は、どんなご褒美にしましょうか。
そんなことを考えながら、また淡々とトレードを続けていこうと思います。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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