FXを続けていると、どうしても「数字」が気になります。
今日はいくら勝った。
今月はいくら負けた。
勝率は何%だった。
何連勝した。
何連敗した。
口座残高がいくら減った。
もちろん、数字は大切です。
トレードの結果を振り返るうえでも、数字から目を背けることはできません。
ただ、私は長くトレードを続ける中で、数字だけを追いかけていると、かえって苦しくなることがあると感じるようになりました。
特に危ないのが、
「この損失を、早く取り戻さなければ」
と思った瞬間です。
そこから無理なエントリーをしたり、ロットを大きくしたり、普段なら見送る場面に手を出したりする。
そして、さらに負ける。
私自身、何度も経験してきました。
だから最近は、勝った金額や負けた金額そのものより、
「自分は崩れたあと、元の状態に戻れるだろうか」
ということを大切にするようになりました。
私はこれを、
「戻せる感覚」
と呼んでいます。
「戻せる感覚」とは何なのか
ここでいう「戻せる」とは、
「負けた金額をすぐ取り返せる」
という意味ではありません。
むしろ、その逆です。
「今すぐ取り返さなくても、自分はまたルール通りのトレードに戻れる」
という感覚です。
たとえば、3回連続で負けたとします。
以前の私なら、
「このままでは今月の利益がなくなる」
「次は絶対に勝たなければ」
と考えていたかもしれません。
でも、そこで焦ってしまえば、次のトレードはすでに普段の自分とは違うものになっています。
勝つためのエントリーではなく、
「負けを取り戻すためのエントリー」
になってしまうからです。
そうではなく、
「今日は負けた」
「でも、自分のルールが壊れたわけではない」
「明日、またいつものトレードをすればいい」
と考えられる。
これが私の考える「戻せる感覚」です。
大切なのは「いくら負けたか」だけではない
もちろん、損失額を無視していいわけではありません。
むしろ、リスク管理をするためには数字を正確に把握する必要があります。
ただし、
数字を確認することと、数字に心を支配されることは別です。
たとえば、
「今日は1万円負けた」
という事実があります。
これは数字です。
そこに、
「1万円も負けた。絶対に取り返さなければ」
という意味を自分で付け加える。
ここから問題が始まります。
数字そのものが次のトレードを壊すわけではありません。
その数字に対して、自分がどんな意味を持たせるか。
そこが重要なのだと思います。
連敗すると「取り返したい」が強くなる
FXで怖いのは、一度の負けだけではありません。
むしろ、連敗したときの心理のほうが厄介です。
1回負ける。
↓
「まあ、こんなこともある」
2回負ける。
↓
「次は取りたい」
3回負ける。
↓
「そろそろ勝てるはず」
4回負ける。
↓
「このままではまずい」
そして、
「次で取り返そう」
となる。
ここから、普段なら見送る場面に手を出したり、ロットを上げたり、エントリー条件を甘くしたりする。
私自身も、過去にはこうした感情に振り回されたことがあります。
でも、よく考えてみると、
「負けたから、次は勝たなければならない」
というルールは、どこにもありません。
相場は、
「前のトレードで負けたから、次は勝たせてあげよう」
などとは考えてくれません。
だからこそ、前のトレードと次のトレードを切り離す必要があります。
「取り返したい」と思ったときほど、取り返さない
これは、私自身が今かなり大切にしている考え方です。
「取り返したい」
と思ったときほど、
取り返そうとしない。
一見すると矛盾しています。
でも、ここが重要なのだと思います。
損失を取り戻すことを目的にしてしまうと、次のトレードの目的が変わります。
本来なら、
「自分のルールに合う場面だからエントリーする」
はずなのに、
「負けを取り返せそうだからエントリーする」
になってしまう。
この二つは、似ているようで全く違います。
もしあなたも、
「損切りされたあと、すぐ次のチャートを探してしまう」
「負けるとロットを上げたくなる」
「今日は絶対にプラスで終わりたい」
という感覚があるなら、こちらの記事もぜひ読んでみてください。

「取り返したい」という気持ちそのものを無理に消すのではなく、その感情が出たときにどう行動するか。
そこを考えるきっかけになると思います。
ポジポジ病も、「戻せる感覚」と無関係ではない
もう一つ、ここからつながるのがポジポジ病です。
負けた。
↓
不安になる。
↓
「次で取り返したい」
↓
チャートを見る。
↓
少し動いている。
↓
「ここなら入れるかもしれない」
↓
エントリー。
こうして、必要のないトレードを増やしてしまう。
私自身も、以前は「エントリーしないと損をしているような感覚」を持っていました。
でも、今考えると、それも、
「何もしなくても、自分はまた戻れる」
という感覚が弱かったからなのかもしれません。
今は、条件がなければ、
「今日は何もしなくていい」
と思えることのほうが大切だと考えています。
もし、チャートを見ているとついポジションを持ってしまうなら、こちらの記事もおすすめです。

「自分は意志が弱いからポジポジしてしまう」
そう考えている方ほど、一度読んでみてほしい記事です。
もしかすると、問題は意志の強さだけではないかもしれません。
勝率やPFは大切。でも、それだけで自分を評価しない
トレードをしていると、
「今月の勝率は○%」
「PFは○○」
「○連勝した」
「今月は○万円勝った」
という数字をどうしても気にします。
これは悪いことではありません。
むしろ、検証や振り返りでは数字を見る必要があります。
ただ、
数字を「自分の価値」のように扱わないこと。
これは大切だと思います。
勝率が低かったから、自分はダメなトレーダー。
連敗したから、手法がダメ。
月間収支がマイナスだから、今までの努力が無駄。
そこまで結びつけてしまうと、一つの数字に感情を持っていかれてしまいます。
トレードでは、一定期間の結果がブレることがあります。
だから私は、
「今月いくら勝ったか」
だけではなく、
「決めたルールをどれだけ守れたか」
も見るようになりました。
「戻せる人」は、負けない人ではない
ここは、かなり大切なところです。
「戻せる感覚がある人」と聞くと、
「負けてもすぐ勝てる人」
をイメージするかもしれません。
でも、私が言いたいのはそういうことではありません。
むしろ、
何度か負けても、トレードそのものを壊さない人。
です。
損切りする。
連敗する。
一時的に資金が減る。
それでも、
「今日はここまで」
と止められる。
翌日になれば、また同じルールで始められる。
これができることのほうが、長く続けるうえでは大切なのではないかと思います。
相場で毎回勝つことは、私にはできません。
でも、
負けたあとに自分を壊さないこと。
これは、自分の行動で少しずつ近づけることができます。
一度崩れても「戻れる場所」を作っておく
では、どうすれば「戻せる感覚」を持てるのでしょうか。
私は、特別なメンタルトレーニングが必要だとは思っていません。
むしろ、
「戻る場所をあらかじめ決めておく」
ことが大切だと思っています。
たとえば、
- エントリー条件
- 1回あたりの許容リスク
- 損切りルール
- エントリーしない条件
- 連敗したときの対応
- 取り返したくなったときの対応
- その日のトレードを終了する条件
こうしたものです。
一度崩れたときに、
「さて、どうしよう」
と考えるのではなく、
「ここに戻ればいい」
という場所を作っておく。
これだけでも、かなり違ってきます。
「今日は負けた。でも、明日は普通にできる」
私は、この感覚が持てるようになることが、トレードを続けるうえで一つの節目なのではないかと思っています。
今日は負けた。
でも、明日もある。
今月少しマイナスになった。
でも、だからといって今日中に取り返す必要はない。
一度ルールを崩してしまった。
でも、次のトレードから戻せばいい。
もちろん、現実にはそんなに簡単ではありません。
私自身も、何度も崩しました。
だからこそ、
「崩れない人になる」のではなく、「崩れても戻れる人になる」
という考え方のほうが、私にはしっくりきています。
本当に怖いのは「負け」より「負け方」
FXでは、負けることを避けることはできません。
どれだけ検証しても、どれだけ経験を積んでも、損切りになるトレードはあります。
だから私は、
「負けない方法」
ばかりを探すより、
「負けたときにどうするか」
を考えておくことが大切だと思っています。
ルール通りの損切りなら、それは予定していた損失です。
問題になるのは、
損切りをずらす。
ロットを上げる。
予定外のエントリーをする。
負けを取り返そうとする。
そして、さらに大きな損失になる。
こうした「負け方」です。
だからこそ、トレードで本当に守りたいのは、口座残高だけではありません。
自分のトレードを壊さないこと。
それも、資金管理の一部なのだと思います。
FXで勝てるようになりかけた人ほど、「戻れるか」を考えてみてほしい
ある程度トレードを続けていると、
「手法は悪くないはずなのに、なぜか結果が安定しない」
という時期が来ることがあります。
勝てることもある。
でも、負けが続くと崩れる。
そして、せっかく積み上げたものを一気に吐き出してしまう。
私は、ここが一つの分岐点なのではないかと思っています。
「もっと勝率を上げる」
「もっと良い手法を探す」
だけではなく、
「崩れたあと、元の自分に戻れるか」
を考えてみる。
もし今、
「あと少しで勝てる気がするのに、なぜか最後に崩れてしまう」
と感じているなら、こちらの記事もぜひ読んでみてください。

勝てるようになってからのほうが、実は難しい。
そんな感覚を持っている方には、今の自分を整理する材料になるかもしれません。
「戻せる感覚」は、数字では測れない
結局のところ、
「戻せる感覚」が何%なのか。
「戻す力」が何点なのか。
そんな数字はありません。
だからこそ、私はこの感覚を大切にしています。
勝った。
負けた。
増えた。
減った。
連勝した。
連敗した。
そうした数字を確認しながらも、
「自分は今、いつものトレードに戻れているか」
を見る。
もし戻れているなら、今日はそれでいい。
もし戻れていないなら、無理に取り返そうとせず、いったん立ち止まる。
そして、もう一度、自分が決めた場所に戻る。
私は、それでいいのだと思っています。
まとめ|勝つことより、「戻れる自分」を作る
FXでは、どうしても数字が気になります。
勝率。
PF。
利益。
損失。
連勝。
連敗。
口座残高。
もちろん、それらは大切です。
でも、それだけで自分のトレードを評価してしまうと、一つの数字に感情まで持っていかれてしまいます。
だから私は、
「いくら負けたか」だけではなく、「負けたあと、いつもの自分に戻れるか」
を大切にしています。
負けることはある。
連敗することもある。
一時的に資金が減ることもある。
それでも、
「またルール通りにやればいい」
と思える。
そして、実際に戻る。
それができるようになれば、トレードは少しずつ変わっていくのではないかと思います。
崩れない人になる必要はない。
崩れても、戻れる人になればいい。
今の私は、そんなふうに考えています。
もし今、トレードの数字を見て苦しくなっているのなら。
「いくら取り返さなければ」
ではなく、
「私は、いつものトレードに戻れるだろうか」
と、一度問いかけてみてください。
その問いのほうが、もしかすると、これから長くFXを続けていくためには大切なのかもしれません。
本日も、最後までお読みいただきありがとうございました。

コメント