FXを始めた頃の私は、
「これさえあれば勝てる」
というものを、ずっと探していました。
サインツール。
インジケーター。
情報商材。
手法。
勝率の高いトレード方法。
今振り返ると、かなり遠回りをしてきたと思います。
その中でも、特に大きかったのが、FXのサインツールに総額20万円近く使ったことでした。
「この矢印が出たらエントリーすればいい」
そんな簡単なものなら、自分でも勝てるようになるかもしれない。
当時は、本気でそう思っていました。
ところが、現実はまったく違いました。
サインが出れば出るほど迷う。
負ければ、別のサインを探す。
また負ければ、今度は別の手法を探す。
そうしているうちに、FXそのものよりも、
「もっと良いものがあるはずだ」
という気持ちに振り回されるようになっていました。
今回は、そんな私がサインツールに頼り、そこから何を学んだのかを振り返ってみたいと思います。
- サインツールなら、FXで勝てると思っていた
- サインが出れば勝てる、とは限らなかった
- 経験を積んでも、同じことを繰り返した
- サインツールが悪かった、という話ではない
- 20万円を失ったことより、大きかったもの
- 私がサインツールを全部消した理由
- 「何かを足す」より「何かを減らす」
- ポジポジ病とも、つながっていた
- 「取り返したい」が、さらに判断を狂わせる
- 「勝てない=もっと良い手法が必要」とは限らない
- 「検証してから使う」という当たり前のことが、当時はできなかった
- 聖杯探しをやめるのは、意外と難しい
- 私が最後に残したもの
- サインツールに20万円使った経験は、無駄だったのか
- もし今、あなたも「もっと良いもの」を探しているなら
- そして、私が最後にたどり着いたこと
サインツールなら、FXで勝てると思っていた
私がサインツールを購入した理由は、単純でした。
自分で判断するのが怖かったからです。
FXでは、
「ここで入るべきなのか?」
「まだ待つべきなのか?」
「この形は本当に優位性があるのか?」
と、常に判断を求められます。
初心者だった私は、その判断ができませんでした。
だから、
「サインが出たら入ればいい」
という仕組みに魅力を感じたんです。
広告を見ると、いかにも簡単そうに見えます。
チャートに矢印が出る。
買いか売りかを教えてくれる。
これなら、自分のような初心者でもできるかもしれない。
そう思って、購入しました。
そして、一つでは終わりませんでした。
「このツールでは自分に合わなかったのかもしれない」
そう考えて、また別のものを探す。
結果として、私は複数のサインツールを購入し、合計で20万円近くを使いました。
サインが出れば勝てる、とは限らなかった
実際に使ってみると、当然ですが、サインが出たからといって必ず勝てるわけではありません。
だましもあります。
苦手な相場もあります。
連続して負けることもあります。
ところが、当時の私は、そのことを理解できていませんでした。
サインが出た。
だから入る。
負けた。
次のサインを待つ。
また負けた。
「このツールはダメなのかな?」
そう思って、別のものを探す。
今なら分かります。
問題は、サインツールそのものだけではありませんでした。
そもそも私は、そのサインがどういう相場で機能しやすく、どういう相場で苦手なのかを理解していなかったのです。
つまり、
「サインが出たからエントリーする」
という一部分だけを見ていて、
「なぜ、この場所でエントリーするのか」
を自分で考えていませんでした。
経験を積んでも、同じことを繰り返した
ところが、ある程度FXを経験してからも、私は同じことをしました。
「今の自分なら、このツールを使いこなせるかもしれない」
そう思ったんです。
初心者だった頃は使いこなせなかった。
でも、経験を積んだ今なら違う。
そんなふうに考えて、再びサインに頼ってしまいました。
ところが、やはりうまくいきません。
サインが出ると、
「今入らないと!」
という気持ちになる。
本来なら環境認識をしてから判断するところを、サインそのものに意識を持っていかれる。
そして、損切りになる。
すると、
「このサインで取り返したい」
という気持ちまで出てくる。
気づけば、
サインを使っているはずなのに、サインに自分のトレードを振り回されている。
そんな状態になっていました。
サインツールが悪かった、という話ではない
ここは誤解してほしくないところです。
私はサインツールそのものを否定したいわけではありません。
現在でも、何らかの補助ツールを使うトレーダーはいるでしょう。
問題は、
「これさえ使えば勝てる」と、自分の判断まで預けてしまったこと
だったのだと思います。
私の場合、
「勝てない」
↓
「もっと良いサインがあるのでは?」
↓
「新しいツールを探す」
↓
「また勝てない」
↓
「別の手法を探す」
という循環に入っていました。
つまり、サインツールを探していたようで、
本当は「負ける怖さから逃げる方法」を探していたのかもしれません。
20万円を失ったことより、大きかったもの
もちろん、20万円近い出費は痛かったです。
でも、今振り返ると、もっと大きかったのは、
自分で考える機会を失っていたこと
だったと思います。
サインが出た。
だから入る。
サインが出ない。
だから待つ。
負けた。
だから次のサインを待つ。
これを繰り返していると、
「自分はなぜここで入ったのか?」
という問いがなくなっていきます。
すると、負けたときにも、
「サインが悪かった」
「このツールは使えない」
というところに意識が向きます。
もちろん、ツールに原因がある場合もあるでしょう。
ただ、それだけでは、自分自身のトレードは変わりません。
私がサインツールを全部消した理由
最終的に私は、使っていたサインツールをPCから消しました。
これは、
「もう二度とツールは使わない」
という強い決意があったわけではありません。
それよりも、
一度、自分自身で相場を見るところからやり直したかった
という感覚に近かったと思います。
そして、少しずつ自分のルールを作っていきました。
何を見て、
どこを狙って、
どこなら見送るのか。
そして、
「入らない」
という選択肢も含めて、自分のトレードを考えるようになりました。
「何かを足す」より「何かを減らす」
この頃から、私のFXに対する考え方が少しずつ変わりました。
以前は、
「もっと勉強しなければ」
「もっと手法を知らなければ」
「もっと良いインジケーターを探さなければ」
と思っていました。
でも、実際に必要だったのは、逆だったのかもしれません。
増やすのではなく、減らす。
手法を減らす。
見る通貨を減らす。
余計なインジケーターを減らす。
無駄なエントリーを減らす。
そして、自分が本当に検証したいものに集中する。
そうすると、少しずつ、
「何をすればいいのか分からない」
という状態から抜け出せるようになりました。
ポジポジ病とも、つながっていた
サインツールを使っていた頃、私はポジポジ病もかなりひどい状態でした。
サインが出れば、
「せっかく出たのだから入らなければ」
と思ってしまう。
サインが出なくても、
「もうそろそろ出るかもしれない」
とチャートを見続ける。
つまり、常に「次のエントリー」を探していたんです。
今振り返ると、これはかなり苦しい状態でした。
FXをやっているというより、
FXに入る理由を探している
ような状態だったからです。
ポジポジ病については、後になってようやく、
「もっと入る方法」ではなく、
「余計なトレードをどう減らすか」
を考えるようになりました。
この変化については、こちらの記事で詳しく書いています。

「取り返したい」が、さらに判断を狂わせる
そして、もう一つサインツール時代に苦しかったのが、
損失を取り返したくなること
でした。
サインに従って負ける。
すると、
「次のサインでは勝ちたい」
と思う。
そして、次のサインが出ると、
「今度こそ」
という気持ちが強くなる。
でも、そのときの目的は、
「このトレードに優位性があるか」
ではありません。
いつの間にか、
「さっきの負けを取り返せるか」
になっています。
これは、現在でも私が特に注意しているところです。
損切り後の「取り返したい」という感情については、別の記事でかなり掘り下げました。

「勝てない=もっと良い手法が必要」とは限らない
FXで負けているとき、
「もっと良い手法があれば」
と思うのは、自然なことだと思います。
私もそうでした。
でも、
手法を変える。
インジケーターを変える。
サインツールを変える。
それでも勝てない。
そんなことを繰り返しているなら、
一度、
「本当に足りないのは手法なのだろうか?」
と考えてみてもいいのかもしれません。
手法そのものではなく、
- ルールを守れない
- 待てない
- 損切り後に取り返したくなる
- チャンスを逃すのが怖い
- 検証する前に実弾で試してしまう
- 勝てないと新しいものを探してしまう
こうした部分が問題になっていることもあります。
私自身がまさにそうでした。
「検証してから使う」という当たり前のことが、当時はできなかった
今なら当たり前だと思えるのですが、
新しいものを使う前に、自分で検証する。
これが大切でした。
ところが当時の私は、
「良さそう」
と思ったら、すぐ実弾で試していました。
負ければ、
「自分には合わない」
と思う。
勝てば、
「これは使える」
と思う。
数回の結果だけで判断していたわけです。
これでは、いつまで経っても自分の中に基準ができません。
だからこそ、
「新しいものを見つけた」
ことよりも、
「自分で確かめた」
ことを大切にするようになりました。
聖杯探しをやめるのは、意外と難しい
「聖杯なんて存在しない」
という言葉は、今なら分かります。
でも、負けているときには、それでも探してしまいます。
なぜなら、
「これさえ見つかれば」
と思ったほうが、今の苦しさから逃げられるからです。
自分のトレードを見直すのは、正直しんどいです。
負けた原因が手法ではなく、自分の行動にあると分かることもあります。
一方、
「もっと良い手法がある」
と思っていれば、まだ希望を持てます。
私自身、長い間そこから抜けられませんでした。
だから、聖杯探しに疲れている人に、
「そんなもの探すな」
と簡単に言うつもりはありません。
私も、かなり遠回りしたからです。
ただ、
「探し続けること」そのものが、いつの間にかトレードを邪魔していないか。
一度だけ、そこを振り返ってみてもいいのかもしれません。
私が最後に残したもの
いろいろなものを買って、
いろいろな手法を試して、
いろいろな失敗をしたあと。
最終的に残ったのは、意外とシンプルでした。
自分が検証したルール。
自分が理解できる相場環境。
自分が許容できるリスク。
そして、
「条件が揃わなければ入らない」
という考え方です。
これだけで、すぐに勝てるようになったわけではありません。
それでも、
「次はもっと良いものを探そう」
という焦りは、少しずつ減っていきました。
そして、ようやく自分のトレードを自分で見られるようになっていきました。
サインツールに20万円使った経験は、無駄だったのか
今なら、
「20万円も使ってしまった」
とは思います。
できれば、使わずに済んだほうがよかったでしょう。
でも、完全に無駄だったとも思っていません。
なぜなら、その経験があったからこそ、
「他人の答えを探し続けること」と「自分の答えを作ること」は違う
と実感できたからです。
サインツールそのものを否定する必要はありません。
誰かの手法を学ぶことも悪いことではありません。
教材を読むことも、勉強になります。
ただ、
学んだものを、自分のトレードとして消化できるか。
そこは、自分自身で向き合うしかありません。
もし今、あなたも「もっと良いもの」を探しているなら
もし今、
「もっと勝率の高い手法はないかな」
「もっと良いインジケーターはないかな」
「このサインツールなら勝てるかな」
と探し続けているなら、一度だけ立ち止まってみてもいいかもしれません。
新しいものを探す前に、
今持っているものを、十分に検証しただろうか。
そして、
勝てない原因は、本当に手法そのものなのだろうか。
と考えてみる。
私自身、この問いにたどり着くまでに、かなり長い時間がかかりました。
そして、私が最後にたどり着いたこと
サインツールに20万円近く使った。
教材も買った。
手法も探した。
インジケーターも試した。
それでも、なかなか勝てなかった。
そんな私が最後に学んだのは、
「勝つために何かを増やす」ことより、「崩れる原因を一つずつ減らす」ことのほうが大切な場面もある
ということでした。
もちろん、これだけで誰でも勝てるという話ではありません。
相場はそんなに簡単ではないと思います。
ただ、
「勝てないから、また何かを探す」
という循環から一度抜け出して、
「今の自分に、本当に必要なものは何だろう」
と考える。
それだけでも、見える景色が少し変わるかもしれません。
私自身、そこからようやく、自分のトレードを少しずつ整理できるようになりました。
そして、
「どうすればもっと勝てるのか」
だけではなく、
「どうすれば、余計なことで崩れないのか」
を考えるようになりました。
その先で、自分のトレードが少しずつ変わっていった過程については、こちらの記事にまとめています。

サインツールに20万円近く使った経験も、ポジポジ病も、取り返したくなったことも、すべて別々の失敗だったように見えました。
でも今振り返ると、
「早く勝ちたい」「失敗したくない」「楽に答えを見つけたい」
という一つの気持ちから、つながっていた部分もあったのだと思います。
もし今、何かを探し続けて疲れているなら。
新しいものを一つ増やす前に、
「今の自分から、何を一つ減らせるだろう?」
と考えてみる。
それが、私にとっては遠回りの終わりに近づく、小さなきっかけになりました。
今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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