FXを続けていると、こんな経験はないでしょうか。
少しずつ利益を積み上げていたのに、たった一度の大きな損失ですべてが水の泡になってしまった。
あるいは、負けが続いて資金が減り始め、何とか取り返そうとした結果、さらに大きな損失を出してしまった。
いわゆる「コツコツドカン」です。
FX初心者の失敗というイメージがあるかもしれませんが、実はこれ、中級者になってからも十分に起こり得る問題です。
むしろ、ある程度勝てるようになってきた人ほど、注意しなければならない落とし穴なのかもしれません。
なぜなら、コツコツドカンは、単純に手法が悪いから起こるとは限らないからです。
ある程度の勝率があり、普段はルールを守ってトレードできている。
それなのに、時々、とんでもない失敗をしてしまう。
そして、その一度の失敗が、それまでの努力を台無しにしてしまう。
実は私自身も、これまで何度も経験してきました。
今回は、私が実際に経験した2種類のコツコツドカンについてお話ししたいと思います。
コツコツドカンには、正反対の2つの心理がある
私が経験したコツコツドカンは、大きく分けて2種類あります。
一つは、負けが続いた末に起こるもの。
もう一つは、勝ちが続いた末に起こるものです。
面白いことに、この2つは心理的には正反対です。
ところが、最終的には同じような結果を招いてしまいます。
① 負けが続いて、最後に取り返そうとして爆死する
これは比較的イメージしやすいかもしれません。
普段は決められたロットでトレードしている。
ところが、相場との相性が悪いのか、あるいは単純に確率の偏りなのか、なかなか勝てない時期が続いてしまう。
1回の負けなら仕方がない。
2回目も、まあ仕方がない。
3回、4回と負けが続いてくると、次第に精神的な余裕がなくなってきます。
頭では分かっているんです。
「ここで焦ってはいけない」
「期待値のあるトレードを繰り返すしかない」
「ロットを上げるのは危険だ」
ところが、実際にはそう簡単ではありません。
減っていく資金を見るたびに、何とかしなければという気持ちが強くなっていきます。
そして、ある日、こんな考えが頭をよぎります。
「次のトレードで少しロットを上げれば、これまでの負けを取り返せるのではないか」
最初は、ほんの少しだけのつもりです。
ところが、思惑が外れて負けてしまうと、今度はさらに取り返したくなる。
そして、またロットを上げる。
気がつけば、普段なら絶対に使わないような大きなロットで勝負している。
結果は言うまでもありません。
それまでコツコツと積み上げてきた利益や資金を、一度のトレードで吹き飛ばしてしまうのです。
私も、この失敗を経験しました。
今振り返れば、相場で負けたことそのものよりも、負けを受け入れられなくなった自分自身の問題だったと思います。
本来なら、一定のリスクで淡々と繰り返すべきところを、感情によってリスクそのものを変えてしまった。
これでは、どんなに優れた手法を使っていても、安定した結果など望めません。
ちなみに、この心理は、以前の記事で取り上げたリベンジトレードと深く関係しています。
負けた後に、なぜ取り返したくなるのか。
その心理については、こちらで詳しく掘り下げています。

負けを取り返そうとする気持ちが、どのように自分を追い込んでいくのか。
心当たりがある方には、ぜひ読んでいただきたい記事です。
② 勝ちが続いて、気が大きくなって爆死する
実は、私がもう一つ経験したコツコツドカンがあります。
こちらは、負け続けた場合とは正反対です。
順調に勝ち続けているときに起こります。
トレードがうまくいっている。
資金も少しずつ増えている。
以前なら難しいと感じていた相場環境も、落ち着いて判断できるようになってきた。
自分の手法に対する信頼感も高まっている。
ここまでは何も問題ありません。
むしろ、トレーダーとして成長している証拠ともいえるでしょう。
ところが、ここに落とし穴があります。
勝ちが続くと、知らず知らずのうちに気が大きくなってしまうことがあるのです。
例えば、普段なら見送るような局面。
少し根拠が弱いけれど、何となく勝てそうに見える。
いつものエントリーポイントとは少し違うけれど、今回は大丈夫だろう。
そんな場面に遭遇したとき、普段なら慎重に判断できるはずなのに、つい大きなロットで勝負したくなってしまう。
「今の自分ならいける」
「多少条件が悪くても、相場の流れは読めている」
「ここで大きく取れれば、さらに資金を増やせる」
そんな気持ちが生まれてくるのです。
そして、普段の自分なら絶対にしないような大勝負に出てしまう。
結果、たった一度の負けで、それまで積み上げてきた利益を大きく失ってしまう。
これも、立派なコツコツドカンです。
こちらの怖いところは、本人が自分のメンタルの乱れに気づきにくいことです。
負け続けているときなら、焦りや苛立ちを自覚できるかもしれません。
しかし、勝っているときは気分がいい。
自分の判断に自信がある。
だからこそ、普段とは違う行動を取っていることに気づきにくいのです。
私は、この経験から一つのことを学びました。
負けているときだけでなく、勝っているときにもメンタル管理は必要なのだということです。
コツコツドカンの本当の原因は、手法ではなくリスク管理の崩壊かもしれない
ここまで、2種類のコツコツドカンについてお話ししました。
一方は、負けを取り返したいという焦り。
もう一方は、勝ち続けていることによる過信。
心理状態は正反対ですが、共通点があります。
それは、普段なら守れているリスク管理が、感情によって崩れてしまうことです。
ここは非常に重要だと思っています。
FXで安定して利益を積み上げるためには、優位性のある手法を使うことが大切です。
しかし、それだけでは不十分です。
どんなに優れた手法でも、毎回同じ条件でトレードしなければ、本来の期待値を維持できません。
例えば、普段は資金の1%をリスクにさらしているトレーダーがいたとします。
ところが、連敗した途端に3%、5%とリスクを引き上げてしまったらどうでしょう。
反対に、連勝して気が大きくなり、普段の何倍ものリスクを取ってしまったらどうでしょう。
それまでのトレードで積み上げてきた期待値は、もはや意味をなさなくなってしまいます。
もちろん、資金の何%をリスクにさらすべきかは、手法や資金量によって異なります。
ただ、少なくとも私が大切にしているのは、その日の損益によって、次のトレードのリスクを安易に変えないことです。
勝ったからといって調子に乗らない。
負けたからといって焦らない。
次のトレードは、前のトレードとは切り離して考える。
言葉にすれば簡単ですが、これがなかなか難しいんですよね。
コツコツドカンを防ぐために、私が大切にしていること
では、どうすればコツコツドカンを防げるのでしょうか。
私自身、長い間、さまざまな手法や教材を試してきました。
その中で、今になって強く感じていることがあります。
それは、トレードをできるだけシンプルにすることです。
具体的には、次の3つを大切にしています。
① 勝っても負けても、ロットを安易に変更しない
これは基本中の基本ですが、非常に重要です。
連敗したからといってロットを上げない。
連勝したからといってロットを上げない。
ロットは、その日の気分や損益で決めるものではありません。
資金量と許容できる損失額を基準に、あらかじめ決めておくものです。
特に、連敗中は注意が必要です。
「次こそ勝てるはず」という気持ちは、何の根拠にもなりません。
同様に、連勝中の「今なら大きく勝てる」という感覚も、過信につながる危険があります。
② エントリーしたら、チャートから少し距離を置く
これも、私が大切にしていることです。
エントリーした後、ずっとチャートを見続けていると、どうしても目先の値動きに心を揺さぶられてしまいます。
少し含み益が出れば、早く利益を確定したくなる。
逆に含み損になれば、損切りを先延ばししたくなる。
そして、予定外の行動を取ってしまう。
こうした心理的な負担を減らすためにも、エントリー前に損切りと利確の位置を決め、エントリー後は必要以上にチャートを見ない。
私は、この考え方を大切にしています。
実際、私が長く基軸にしている手法には、エントリー後の値動きに過度に反応せず、決めたルールに従って淡々とトレードするという、学ぶべき考え方があります。
もちろん、チャートから離れること自体が利益を保証するわけではありません。
大切なのは、エントリー後に感情で判断を変えない仕組みを作ることです。
③ 見送ることを、立派なトレードの一つだと考える
実は、これが一番大切かもしれません。
FXを始めたばかりの頃は、エントリーしなければ利益は生まれないと思いがちです。
しかし、ある程度経験を積んでくると、そうではないことに気づきます。
条件が揃わない相場で無理にエントリーする必要はありません。
勝てそうに見えても、普段のルールから外れているなら見送ればいい。
連敗して焦っているときも、連勝して気が大きくなっているときも、同じです。
自分の判断に少しでも違和感があるなら、一度立ち止まる。
そして、いつもの自分ならどう判断するのかを考える。
その積み重ねが、コツコツドカンを防ぐことにつながるのだと思います。
ちなみに、エントリーしたくて仕方がなくなるポジポジ病については、以前の記事でも詳しく取り上げました。

エントリーを我慢することは、単に精神力を鍛えるという話ではありません。
自分にとって優位性のある場面だけを選び、余計なリスクを背負わないための大切な習慣なのです。
最後に。勝つことよりも、崩れないことを大切にしたい
FXを続けていると、どうしても目先の利益に意識が向いてしまいます。
今月はいくら稼げるだろう。
今度こそ大きく勝ちたい。
早く資金を増やしたい。
その気持ちは、私にもよく分かります。
しかし、長く相場と付き合っていくためには、少し違った視点も必要なのではないでしょうか。
それは、どうすれば大きく勝てるかではなく、どうすれば大きく負けずに済むかという視点です。
私自身、かつては一度の大きな勝ちを求めて、何度も失敗してきました。
負けが続けば焦り、勝ちが続けば過信する。
その繰り返しでした。
しかし、ようやく分かってきたことがあります。
FXは、一度のトレードで人生を変えるような利益を狙うものではないということです。
小さな優位性を、同じ条件で、同じリスクで、淡々と積み重ねていく。
その繰り返しが、長期的な結果につながっていくのだと思います。
そして、もう一つ。
勝てるようになってきた人ほど、気をつけてほしいことがあります。
それは、手法を覚えることと、実際にその手法を守り続けることは、まったく別の能力だということです。
頭では分かっている。
ルールも決めている。
それなのに、なぜか自分をコントロールできなくなる。
もし、そんな経験があるなら、ぜひこちらの記事も読んでみてください。

約10年間、遠回りを繰り返してきた私が、ようやくトレードを崩さずに続けられるようになるまでの経験をまとめた記事です。
新しい手法を探す前に、一度立ち止まって読んでいただければと思います。
コツコツドカンを経験したからといって、FXに向いていないと決めつける必要はありません。
大切なのは、同じ失敗を繰り返さないために、自分の弱点を知り、仕組みを整えていくことです。
私もまだまだ修行中です。
お互い、目先の勝ち負けに振り回されず、長く相場と付き合っていきましょう。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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