「ルールは決めているのに、なぜか守れない」
FXを続けていると、そんな経験はないでしょうか。
損切りする場所は決めている。
エントリー条件も決めている。
やってはいけないことも分かっている。
それなのに、いざ相場を前にすると、
「もう少し待てば戻るかもしれない」
「ここから上がりそうだ」
「この負けを取り返したい」
そんな感情に押されて、いつの間にかルールから外れたトレードをしてしまう。
私自身、何度も経験してきました。
手法を知らなかったわけではありません。
むしろ、教材を買い、インジケーターを試し、検証もしてきました。
それでも、勝てない。
ルールを守れない。
勝てたと思った翌日に大きく負ける。
そんなことを繰り返していました。
そしてあるとき、少し違う方向から自分のトレードを見るようになりました。
「自分は、なぜルールを守れないのだろう?」
手法の問題だけではなく、自分の中にある「感情の癖」を見てみようと思ったのです。
そこで気づいたのが、
ルールは、頭で決めただけでは自分のものにならない
ということでした。
FXでルールを守れないのは、意志が弱いからなのか
「FXでルールを守れない」
そう悩むと、
「自分は意志が弱い」
「メンタルが弱い」
と、自分を責めてしまいがちです。
私もそうでした。
でも、今振り返ってみると、それだけでは説明できないように思います。
たとえば、
- 連敗した直後
- 含み損が膨らんだとき
- もう少しで損切りになりそうなとき
- 利益が出ているとき
- 「今月はまだマイナスだ」と思ったとき
同じルールでも、心理状態によって守りやすさが変わります。
つまり、
ルールそのものだけではなく、「そのルールを守る自分の状態」もトレード結果に影響している
のではないでしょうか。
だから私は、
「もっと強い意志を持たなければ」
と考えるより、
「自分はどんなときにルールを破りやすいのか?」
を観察するようになりました。
私は「負けを取り返したい」と思ったときに崩れていた
トレードノートをつけるようになって、少しずつ自分の癖が見えてきました。
たとえば、
「負けを取り返したい」
と思った直後ほど、無理なエントリーをしている。
「今日は勝ちたい」
と強く思っているときほど、普段なら見送る場所に入っている。
そして、負けた後に焦ってロットを大きくしてしまう。
以前は、
「なぜ自分はこんなことをしてしまうんだろう」
と自己嫌悪になっていました。
でも、記録していくと、
自分が崩れるパターンには、ある程度の共通点がある
ことに気づきました。
これは私にとって大きな発見でした。
「自分はダメだ」
ではなく、
「こういう状態になると、自分はルールを破りやすい」
と考えられるようになったからです。
もしあなたにも、
「負けた後だけおかしくなる」
「取り返したくなってしまう」
という経験があるなら、こちらの記事も参考になるかもしれません。

感情をなくすのではなく、感情がトレードに入り込む瞬間を知るという視点で書いています。
長嶋茂雄氏と松井秀喜氏の「型」に感じたこと
そんなことを考えていた頃、長嶋茂雄氏と松井秀喜氏の師弟関係についてのエピソードを知りました。
長嶋氏が松井氏に繰り返し伝えていたのが、バットを振ったときの「音」だったという話です。
良いスイングなら「ピュッ」という音がする。
最初は、その意味が分からない。
でも、何度も何度も繰り返していく。
やがて、その感覚が身体に染み込んでいく。
すると、言葉で細かく説明されなくても、自分で修正できるようになっていく。
この話を知ったとき、
「FXにも似たところがあるのではないか」
と思いました。
もちろん、野球とFXはまったく別のものです。
ですが、
正しい動きを繰り返すことで、判断の基準が自分の中に蓄積されていく
という部分には、共通するものがあるように感じました。
FXでも「型」は繰り返すことで育っていく
FXを始めたばかりの頃は、チャートを見ても何が正しいのか分かりません。
だから、
「このインジケーターは?」
「この形は?」
「この相場環境では?」
と、一つずつ頭で考えます。
それ自体は必要な過程だと思います。
でも、一つの型を何度も検証していくと、少しずつ変化が出てきます。
「この形は、自分のルールとは違う」
「ここは待ったほうがいい」
「この状況では入りたくない」
そんな感覚が、以前より早く出てくる。
私は、これが「型が育つ」ということなのではないかと思っています。
ただし、
最初から感覚に頼ればいい、という話ではありません。
むしろ逆です。
目に見える条件を確認する。
決めた手順を繰り返す。
結果を記録する。
振り返る。
修正する。
そしてまた繰り返す。
そうした積み重ねがあって初めて、
「考えなくても分かる」
という部分が少しずつ生まれてくるのではないでしょうか。
マイルールは「守るもの」から「育てるもの」へ
以前の私は、
「完璧なルールを作れば勝てる」
と思っていました。
どんな相場でも対応できる。
勝率が高い。
損失も少ない。
そんな「黄金の手法」がどこかにあると思っていたのです。
でも、今は少し違います。
マイルールは、最初から完成しているものではなく、育てていくもの
だと考えています。
最初はシンプルでいい。
たとえば、
「この形になったときだけ入る」
と決める。
そして、
「本当にこの条件で良かったのか?」
を記録する。
検証する。
実際に使ってみる。
うまくいかなければ修正する。
また検証する。
その繰り返しによって、自分にとって必要なものと不要なものが少しずつ見えてきます。
そして最終的には、
自分が無理なく守れる形へ、ルールそのものが洗練されていく
のだと思います。
「ルールを増やす」だけでは、トレードは楽にならなかった
私自身、昔はルールをどんどん増やしていました。
「これも確認したほうがいい」
「これもフィルターに入れよう」
「このインジケーターも見よう」
そうやって、条件を追加していきました。
もちろん、それによって学べたこともあります。
ただ、ある時から、
「確認することが多すぎて、逆に判断しづらい」
と感じるようになりました。
条件が増えるほど、
「AはOKだけどBはどうだろう?」
「BはいいけどCが……」
と迷う。
そこで少しずつ、
「本当に必要なものは何なのか」
を考えるようになりました。
足すことだけが改善ではない。
削ることも改善になる。
この考え方は、現在私が取り組んでいる「思考の棚卸し」にもつながっています。
もし、知識やルールが増えすぎてトレードが複雑になっているなら、こちらもぜひ読んでみてください。

「感じる」ことと「勘でトレードする」ことは違う
ここは誤解されやすいところだと思います。
「型が身につけば感覚でトレードできる」
と聞くと、
「じゃあ、チャートを見て何となく入ればいいの?」
と思われるかもしれません。
私は、そういう意味では考えていません。
むしろ、
感覚の土台には、それまでの膨大な確認と反復がある
と思っています。
目に見えるチャートを確認する。
条件を確認する。
自分のルールと照らし合わせる。
その結果として、
「これは自分の型ではない」
と判断できる。
つまり、
感覚はルールの代わりではなく、ルールを繰り返した先に育ってくるもの
なのではないでしょうか。
FXで勝てないときほど「新しい手法」を探したくなる
ここまで読んで、
「でも、今の手法そのものが悪いのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
私も長い間、そう考えていました。
負ける。
↓
もっと良い手法があるのでは?
↓
新しい手法を探す。
↓
少し使ってみる。
↓
また負ける。
↓
さらに別の手法を探す。
こうして、いわゆる「手法探し」のループに入ってしまう。
もちろん、本当に手法を見直す必要がある場合もあります。
ただ、
「負けたから変える」だけでは、自分の型を育てる時間がなくなってしまいます。
だからこそ、一度立ち止まって、
「自分は今、手法を改善しているのか、それとも不安から新しい手法を探しているのか」
を考えてみる。
これは私自身にとって、とても大切な問いになりました。

型が育つと「やらないこと」が見えてくる
私は以前、
「勝つためには、もっと良いエントリーを見つけなければ」
と思っていました。
でも今は、
「入らなくていい場所を見分けること」
も同じくらい重要なのではないかと思っています。
自分の型が分かってくると、
「これは自分の得意な形ではない」
「ここは待つところ」
「今は条件が揃っていない」
と判断できる場面が増えてくる。
つまり、
型を育てることは、エントリーを増やすことではなく、余計な判断を減らすことにもつながる
のです。
そして、それがポジポジ病の抑制にもつながっていきます。
もし、
「分かっているのに、ついエントリーしてしまう」
という悩みがあるなら、

こちらも合わせて読んでみてください。
では、型を「無意識に使える状態」にするには?
ここまで来ると、次の疑問が出てきます。
「型を育てることは分かった。でも、どうすればそれが自分の中に定着するの?」
私自身も、ここをずっと考えてきました。
そして、そのヒントになったのが、
一つのことを繰り返し、やがて無意識に近い領域まで落とし込んでいく
という考え方でした。
FXでも、
「この条件ならこうする」
という判断を何度も繰り返していく。
その中で、
「これは違う」
「ここなら待てる」
「この場面なら自分の型だ」
という判断が少しずつ早くなっていく。
私は、この先にある「反復」の重要性について、別の記事でさらに掘り下げています。

この記事の続きとして読んでいただくと、今回の話がよりつながると思います。
ルールを守れる自分を作ることも、トレードの一部
ここまで書いてきて、私は改めて思います。
FXで必要なのは、
「完璧なメンタル」
ではないのかもしれません。
怖くなることもある。
悔しくなることもある。
取り返したくなることもある。
勝ちたいと思うこともある。
そうした感情を完全になくすことは、私にはできません。
だから、
感情が出ても、それに気づけるようにする。
そして、
感情が出たときに、決めた行動へ戻れるようにする。
そのために、
自分の癖を知る。
ルールを作る。
繰り返す。
記録する。
修正する。
こうした積み重ねが必要なのだと思います。
おわりに──「勝てる手法」より「自分の型」を育てる
以前の私は、
「勝てる手法を見つければ、勝てるようになる」
と思っていました。
でも今は、
「自分が守り続けられる型を育てること」
のほうが大切なのではないかと思っています。
もちろん、手法そのものの優位性は大切です。
どんな手法でもいいわけではありません。
ただ、それだけではなく、
その手法を自分がどう使うのか。
どんな場面で崩れるのか。
何をすると余計なトレードをしてしまうのか。
そこまで含めて、自分の型を育てていく。
それが私にとって、FXで少しずつ変化を感じられるようになった一つのきっかけでした。
もし今、
「ルールを決めても守れない」
「感情的になってしまう」
「負けると手法を変えたくなる」
という状態なら、まず自分を責めるのではなく、
「自分は、どんなときに崩れているんだろう?」
と観察してみてください。
そこに、あなた自身の「型」を育てるためのヒントがあるかもしれません。
そして、その型をどうやって反復し、自分の中へ落とし込んでいくのか。
その先の話を、こちらの記事にまとめました。

「もっと良い手法を探す」から、
「今あるものを、自分のものにする」へ。
私自身、かなり遠回りしましたが、少しずつこの方向へ考え方が変わってきました。
同じようにFXで勝ちきれずにもがいている方にとって、何か一つでも参考になれば嬉しく思います。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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