サントリ―ローヤルに隠された秘密
以前、日常生活でできるメンタル強化法というタイトルで、記事を書きました。その中で、サントリーローヤル(ウイスキー)を使った自分へのご褒美に関して言及しました。
さて、このご褒美、単なる私の偶然の思い付きではなく、科学的に極めて有効なテクニックなんだということを、今回は是非皆さんに覚えておいてもらいたいと思い、改めて記事にすることに決めました。
それは…(笑) もったいぶってますねぇ。
先に言っておきますと、今日の話は、小難しいです。難解な文章が苦手な方は離脱していただいて構いません。しかし、これまで書いた私のブログ記事の中で最もといっていいくらい重要で、FXの知識やスキル、経験以上に、陰で私を支え続けてくれている秘密兵器のようなものです。
脳と上手に付き合うために手に入れた処方箋
これまで数々の失敗を、自身の脳の暴走によって引き起こしてきた私ですが、その暴れ馬ともいうべき私の脳みそを、うまく制御できるとしたら、唯一、これしかないだろう、という最終兵器を、試行錯誤する日々の中で、私は見つけました。それこそが…心理学でいうところの、「ドーパミン・リワイヤリング」です。これは、「快感(報酬)と結び付ける行動」を意図的に再設計することで、長期的な望ましい習慣を形成する手法として知られています。
その中身、ざっくりいうと、①動物脳と、②報酬系(ドーパミン回路)という二つの脳内システムのバランスをとる試みです。
動物脳とは、本能的、衝動的な行動をつかさどり、恐怖、怒り、欲望などを感じる場所です。トレードでいうと、
・連敗後のリベンジトレード
・無意味なエントリー(ポジポジ病)
・負けを取り戻そうと損切を取り消す
といった破滅的な行動の出どころです。
それに対して報酬系(ドーパミン回路)は、物事をうまくやれた、達成できた、というときにドーパミンが分泌され、快感を与える回路です。トレードでは、ハイレバトレードやピラミッティングなど、一つ間違うと大損失をこうむる場面を切り抜け、爆益を得たときなど、きっとドーパミンがドバドバ分泌されていると思います(笑)
これを、「目先の利益」ではなく、「自己制御の成功体験」に結びつけることで、長期的に望ましい行動の習慣化につなげていこうという試みこそが、このドーパミン・リワイヤリングの核心であり、私のご褒美活用法の正体であります。
この秘密兵器を活用するコツは、だれにでも当てはめることができます。それは、ブログを読んでいただける読者の皆さんだからこそ、特別に伝えますが、ズバリ…
★制御が難しい本能に、事前ルール×成功報酬で対抗する構造
です。
この、制御が難しい本能は、簡単に見つけられます。それは、
①何度も何度もやらかしてしまい、わかっちゃいるけどやめられない、自分のトレードの悪癖
②トレード記録から浮き彫りになった、自分のトレードの弱点(利確、損切など)
のどちらかに当てはまるものと考えられるからです。
私自身の行動設計(具体例をもとに)
読んでくださっている皆さんが、ご自身のトレードスタイル、失敗体験などに合わせて設計していただいて構いませんが、私がこの秘密兵器、ドーパミン・リワイヤリングをどのように自分自身に当てはめていったか、開示したほうが、イメージしやすいのではないかと思いました。以下ご覧くださいませ。
- 重要指標発表日(政策金利、雇用統計、CPI、FOMC)のノートレ→「衝動的な参加」を制御
SNSで今日はノートレ、と宣言していてもエントリーしてしまう悪癖。
【脳科学的背景】いざ指標が発表されると、「確実性の欠如」が極大化します。人間の脳は、パターン認識や習慣化にはたけていますが、イレギュラーや不確実性には弱いという特徴があります。つまり、一時的に、自分の知るパターンの例外と脳は認識するため、もしかしたら…という根拠のない(パチンコや宝くじのような)期待感にとらわれます。これは、脳内の偏桃体を強く刺激し、結果として、やらなきゃ損という衝動を生みます。
→ノートレをつらぬくことで、”不作為の決断”という高度な自己制御を実現できます。そこに、「ローヤル」というご褒美ドーパミンを紐づけることで、この選択が強化されます。
- ノートレ、1勝、または2連敗で終了→熱くなる前に強制終了
難しい相場で無理やりチャンスを探したり、勝って気が大きくなる、負けてムキになる、という悪癖。
【脳科学的背景】勝っても負けても、偏桃体は活動しやすくなり、「次も!」という衝動を生みます。(いわゆる報酬予測誤差)。
→ここで意図的に止めることで、前頭前皮質(理性の中枢)が主導権を取り戻します。そして、「我慢できたこと」への報酬がドーパミン回路を満たし、次回も理性を使いたくなる設計です。
予定より早く損切り→臨機応変な損失受容
【脳科学的背景】含み益を見ると、損失回避バイアスが発動し、偏桃体が「今損切は痛すぎる」と叫びます。
→ここで損切できるのは、痛みより合理性を優先できたという証。それを、「ローヤルで癒す」ことで、損切を苦痛で終わらせず、達成感に変えることができます。
- 一度決めた損切を戻さない→過去の自己への信頼
【脳科学的背景】トレード中の再判断は、感情(偏桃体)と理性(前頭前皮質)の綱引きになります。
→最初の判断に従うと決め、それを守れた時に報酬を与えることで、感情よりも計画を優先する習慣が形成されます。
- 負けの後のトレードで、1/3~1/2利確→期待しすぎない訓練
【脳科学的背景】負けた後は、「早く取り返したい」という復習的衝動(偏桃体の過活動)が起きます。
→あえて利幅を抑えて利確することで、勝つことよりも、ルールを守ることに価値を置くよう脳を調教している。これにより、脳が破滅ルートに向かわない設計がなされています。
まとめ:ドーパミンを「勝ち」ではなく、「我慢・制御」に結びつける
これは私の推測ですが、多くのトレーダーは、
・買ったとき→酒
・負けた時→酒でごまかす
というルートで、脳の報酬系を”勝ち負け”としか結び付けず、結果的に依存・暴走が進みます。(お酒が好きな人を例に挙げているので、お酒の代わりにアイスクリームでも構いません)
しかし、私の場合、
・我慢できたらローヤル
・制御できたらローヤル
という仕組みにより、”脳にとって快いこと”の定義を書き換えているのです。
これはまさに、自己統制力の向上、トレーディングの安定化、衝動の脱習慣化、をすべて心理学的・脳科学的に裏打ちした、「自分を育てる技術」です。皆さんよく、聖杯聖杯と言っていますが、表の聖杯を、勝率9割以上の夢の手法、だとしたら、私はこれを裏の聖杯ではないかとさえ思っています。
この、自分を育てる技術として、皆さんもこの、ドーパミン・リワイヤリングを活用し、あなた色の、報酬と巧みに紐づけられたマイルール(=「報酬系を意図的に制御して自己統制力を高める仕組み」)を構築していただければ、きっとトレーダーとして一皮も二皮もむけるのではないかと思います。
本日も、お読みいただき、ありがとうございました。
ご案内
自分が今あるのは、この先生のおかげなので、ささやかな恩返しをしたいと思っています。
聖杯探しに疲れ果てた私が、ようやく「これだ」と思えた教材です。
遠回りしたからこそ刺さる、シンプルさの中に詰まった“勝ち続ける本質”。
私自身何度も見返し、学ぶたびに新たな気づきを得てきました。──メンタル崩壊とも無縁の実戦バイブルです。とてもお安くあり得ないコスパなので、良かったらお手に取ってみてください。
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