以前、「日常生活でできるメンタル強化法」という記事を書きました。
その中で、私はサントリーローヤルを使った、自分へのご褒美について少しだけ触れています。

今回は、その「ご褒美」について、もう少し掘り下げてみたいと思います。
なぜ私は、ただ好きなお酒を飲んでいるだけなのに、それをトレードのルールと結びつけているのか。
実は、これには私なりの理由があります。
そして、この考え方は今でも、私がトレードを続けていくうえでかなり大切にしているものです。
少しだけ難しい話も出てきます。
ただ、FXの知識やテクニックとは違う角度から、
「どうすれば、分かっているのにルールを破ってしまう自分を変えられるのか」
を考える材料にはなると思います。
私自身、長い間ここに悩んできました。
だからこそ、今回は私が試行錯誤の中でたどり着いた「ご褒美の使い方」について、できるだけ分かりやすく書いてみます。
「分かっているのに、やってしまう」
FXを続けていると、
「これはやってはいけない」
と頭では分かっているのに、なぜかやってしまうことがあります。
連敗した後のリベンジトレード。
根拠が薄いのに入ってしまうポジポジ病。
一度決めた損切りを、都合よく動かしてしまう。
私自身、何度も経験してきました。
そして、そのたびに、
「もっと意志を強くしなければ」
「もっとメンタルを鍛えなければ」
と思っていました。
でも、何度も失敗しているうちに、少し考え方が変わってきたんです。
意志の力だけで自分を抑えようとするから、苦しくなるのではないか。
だったら、
「我慢しろ」
と自分に命令するだけではなく、
ルールを守れたこと自体に、小さな報酬を与えてみたらどうだろう。
そんなところから、私の「ご褒美作戦」が始まりました。
私が「ご褒美」をトレードに取り入れた理由
ここで少しだけ、脳と報酬の話をします。
ドーパミンという言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
以前の私は、
「ドーパミン=快感物質」
くらいに考えていました。
でも、現在の研究では、ドーパミンは単純な「快感」のためだけに働くものではなく、報酬の予測や学習、動機づけなど、さまざまな働きに関わっていることが分かっています。特に、予想していた報酬と実際の結果との差、いわゆる「報酬予測誤差」と学習との関係は、長く研究されてきたテーマです。
ですから、
「ドーパミンを自由自在に操れば勝てる」
という話ではありません。
私がここで伝えたいのは、もっと単純なことです。
人間は、
「これは自分にとって嬉しいことだ」
という経験と、直前に行った行動を結びつけながら、少しずつ行動を学習していきます。
だったら私は、
「勝ったこと」
だけではなく、
「ルールを守れたこと」
にも、嬉しい経験を結びつけてみよう。
そう考えました。
私はこれを自分なりに、
「ドーパミン・リワイヤリング」
と呼んでいます。
これは医学的に確立された正式な治療法を紹介しているわけではありません。
あくまで、
「報酬と行動の結びつきを、自分にとって望ましい方向へ意識的に設計してみる」
という、私自身の実践上の呼び方です。
私が「ご褒美」にしたもの
そこで登場するのが、サントリーローヤルでした。
もちろん、これは皆さんにも同じものを勧めたいという話ではありません。
好きな食べ物でもいい。
趣味の時間でもいい。
映画を見ることでもいい。
何か小さな買い物でもいい。
大切なのは、
「自分にとって、ちょっと嬉しいもの」
であること。
私の場合、それがたまたまローヤルだったわけです。
そして、ここには一つルールを設けました。
「飲みたいから飲む」のではなく、「自分で決めたことを守れたら、ご褒美にする」
ということです。
ここが私にとって、一番重要でした。
「勝ったらご褒美」ではなく「守れたらご褒美」
FXをやっていると、どうしても、
勝った
↓
嬉しい
という流れになりやすいですよね。
私も以前はそうでした。
でも、それだけだと、
「勝たなければ嬉しくない」
という状態になりやすい。
そこで私は、少しだけ評価の基準を変えました。
例えば、
・重要指標の日にノートレードを貫いた
・決めた時間でトレードを終了した
・負けた後に追いかけなかった
・一度決めた損切りを動かさなかった
・根拠が足りない場面でエントリーを見送った
こういう行動も、
「今日はよくやった」
と評価する。
勝敗ではなく、
自己制御ができたことそのものを成功にする。
これが私のご褒美作戦の中心です。
私自身が実際に設定したルール
ここからは、私が実際にどんな行動を「ご褒美の対象」にしていたのかを書いてみます。
皆さんがそのまま真似する必要はありません。
むしろ、ご自身の悪癖に合わせて作っていただく方がいいと思います。
① 重要指標の日にノートレードを貫く
私には、
「今日はノートレード」
と決めていたにもかかわらず、重要指標が近づくと、
「もしかしたら……」
と入りたくなることがありました。
これは、相場が普段とは違う動きをするかもしれないという期待や不確実性が、判断に影響していたのだと思います。
そこで、
ノートレードを貫けたら成功。
そう決めました。
相場に参加しなかった。
でも、それは「何もしなかった」のではありません。
自分で決めたことを守った。
そのこと自体を成果として扱うわけです。
② 決めたところでトレードを終了する
勝ったら、
「もう一回いけるかも」
となる。
負けたら、
「取り返したい」
となる。
どちらも私には経験があります。
だから、
「今日はここまで」
と決めたら、そこで終了する。
これも立派な成功です。
特に、勝った後にトレードを続けたくなる気持ちは、負けた後とは違った意味で厄介でした。
「今日は調子がいい」
という感覚が、いつの間にか、
「もっと取れる」
に変わってしまうからです。
③ 損切りを動かさない
これも私にとって重要なテーマでした。
一度決めた損切りを、
「もう少し待てば戻るかもしれない」
と動かしたくなる。
しかし、それをやってしまうと、
最初に決めた自分の判断を、自分自身で否定することになります。
だから、
損切りを決めた通りに実行できたことを成功とする。
損切りになった。
でも、ルールは守れた。
それなら、
「今日は失敗だった」
だけで終わらせない。
ここは、かなり意識するようになりました。
④ 負けた後に「取り返す」ためのトレードをしない
私が何度も苦しんだのが、これです。
負ける。
悔しい。
取り返したい。
そして、次のトレードで無理をする。
この流れです。
だから私は、
「負けた後に冷静さを失わずに終了できたこと」
も、成功として扱うようにしました。

負けを帳消しにすることより、
負けた後に自分を崩さなかったこと。
こちらを評価する。
これは、今振り返っても大切な考え方だったと思います。
「ご褒美」は、悪癖を消す魔法ではない
ここは誤解してほしくないところです。
ご褒美を用意したからといって、
「明日からポジポジ病が完全に消える」
わけではありません。
私自身、何度も失敗しました。
それでも、
「またやってしまった」
と自分を責めるだけではなく、
「では、どうすれば次は守りやすくなるだろう」
と考えるようになった。
そこに意味があったと思っています。
もし、
「分かっているのにエントリーしてしまう」
という悩みがあるなら、こちらの記事も参考になるかもしれません。

「やらなかったこと」にも価値がある
FXを始めたばかりの頃は、
「何pips取れたか」
「いくら勝ったか」
ばかり気にしていました。
でも、少しずつ考え方が変わってきました。
例えば、
根拠が足りないから見送った。
取り返したくなったけれど、チャートを閉じた。
SNSで魅力的なトレードを見たけれど、自分のルールを変えなかった。
こういうものは、利益として数字に残りません。
でも、
「やらなかったこと」も、トレードの一部です。
むしろ、長く続けることを考えるなら、
「何をしたか」だけでなく、
「何をしなかったか」
も見てあげていいのではないでしょうか。
「自分を俯瞰する」という考え方
そして、ここから先は、ご褒美だけではありません。
私は、
「今、自分は何をしたくなっているのか」
を見ることも大切にしています。
「今、入りたいと思っているな」
「負けたから取り返したいと思っているな」
「置いていかれそうで焦っているな」
そんなふうに、
感情と自分を少し離して見る。
これが私にとっての「俯瞰」です。
感情をなくすのではありません。
感情があることを認めたうえで、
その感情のまま行動するかどうかを、一度考える。
そのための時間を作るわけです。

脳を敵にするのではなく、味方にする
私は以前、
「感情に負けない人間にならなければ」
と思っていました。
でも今は、少し違います。
焦ることもある。
欲が出ることもある。
負ければ悔しい。
取り返したくなることもある。
それ自体を、
「ダメな自分」
と決めつけない。
そうではなく、
「そういう反応が出るのは、人間としてある程度自然なんだ」
と考える。
そのうえで、
「では、どうすれば自分が望む行動を取りやすくなるだろう」
と考える。
私にとって、
「脳を味方につける」
というのは、そういう意味になっていきました。
私にとっての「裏の聖杯」
FXには、
「勝率の高い手法」
「聖杯」
「絶対に勝てる方法」
を探してしまう時期があります。
私にもありました。
でも、今振り返ると、
「勝つための方法」だけを探していた頃より、
「自分を崩さないための方法」
を考えるようになってからの方が、トレードとの付き合い方は変わっていきました。
勝つか負けるかは、相場に委ねる部分があります。
でも、
ルールを守るか。
見送るか。
取り返しに行かないか。
決めたところで終わるか。
こうした部分には、自分で選べる余地があります。
だから私は、
「勝ったら嬉しい」
だけではなく、
「守れたら嬉しい」
という感覚も、自分の中に育てていきたいと思っています。
これが、私にとっての「裏の聖杯」です。
もちろん、これで勝率が上がると保証できるわけではありません。
でも、
「勝てないから、また手法を探す」
というループから抜け出すためには、少なくとも私には意味のある考え方でした。
ご褒美は、自分を甘やかすためだけのものではない
ご褒美というと、
「頑張った自分を甘やかす」
というイメージがあるかもしれません。
私も最初はそう思っていました。
でも、今は少し違います。
私にとってのご褒美は、
「自分で決めたことを守れた自分を、自分自身で認めるための儀式」
に近いものです。
だから、毎回何かを買ったり食べたりする必要もありません。
「今日は守れたな」
と思えたら、それだけでもいい。
大切なのは、
勝敗だけで自分を評価しないこと。
これなのだと思います。
そして、今の私が思うこと
昔の私は、
「もっと強いメンタルが欲しい」
と思っていました。
でも今は、
「強くなる」よりも、
「崩れにくい仕組みを作る」
方が、自分には合っていると感じています。
感情が出てきてもいい。
焦ってもいい。
負けて悔しくてもいい。
ただ、
その感情のまま次の行動を決めなくてもいい。
そのために、
・ルールを決める
・見送ることを成功として扱う
・自分に合ったご褒美を用意する
・感情を一歩引いて観察する
・負けた後に取り返そうとしない
そんな小さな仕組みを、一つずつ作っていく。
これが私にとって、
「脳を味方につける」
ということでした。
もし今、
「分かっているのに、ルールを守れない」
「勝つことばかり考えてしまう」
「負けると取り返したくなる」
そんな状態にいるのであれば、
自分の意志の弱さだけを責めなくてもいいのかもしれません。
もしかすると、
「勝ち」だけを自分への報酬にしてしまっている
のかもしれません。
だったら、一度だけ、
「今日は勝てたか」
ではなく、
「今日は自分で決めたことを守れたか」
という視点で、自分のトレードを見てみる。
そこから何か変わるかもしれません。
私自身も、まだまだ完璧ではありません。
それでも、遠回りをしてきたからこそ、
「勝つこと」だけを追いかけていた頃とは、少し違う景色が見えるようになりました。
焦らなくても大丈夫です。
一つずつ、自分が崩れにくくなる仕組みを作っていけばいい。
その際、私が、無数の試行錯誤と挫折の末にたどり着いたストーリー、
もしかしたら参考になるかもしれません。
答えが見つからずに悩んでいらっしゃるのなら、こちらも是非ご一読ください。

本日も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
コメント