前回の記事
『FXでルールを守れない理由|感情に負けない「自分の型」の育て方』
では、感情を観察しながら自分の型を育てるという話をしました。
では、その型をどうすれば自分の中に深く定着させられるのでしょうか。
今回はその辺を深掘りしようと思います。
さて、「FXで勝てるようになるには、何が必要なんだろう?」
私は長い間、この答えを探していました。
もっと良い手法があるのではないか。
もっと精度の高いインジケーターがあるのではないか。
もっと勝率の高い方法があるのではないか。
そうやって、いろいろなものを探してきました。
でも、ある時から少しずつ考え方が変わってきました。
もしかすると、FXで勝てるようになるために必要なのは、
「もっと多くを知ること」ではなく、「一つの型を深く知ること」なのではないか。
そんなふうに考えるようになったのです。
きっかけになったのは、FXとはまったく違う世界の話でした。
東大理科Ⅲ類に現役合格した小田原光一さんの勉強法についての動画です。
強烈なインパクトがある内容だったのですが、一見するとFXとは関係のない話です。
でも、私にはそこに、トレードにも通じる大切なヒントがあるように感じました。
- FXで勝てるようになる人は「たくさん知っている人」なのか
- 東大理Ⅲの勉強法から感じた「型を極める」という考え方
- FXの「直感」は、何も考えていないこととは違う
- 私自身も、最初はルールを増やしていた
- 手法を一つに絞るとは、「他を全部否定する」ことではない
- 「手法探し」が止まらなかった頃の私へ
- 型が育つと、ルールは少しずつシンプルになる
- では、どうやって「型」を育てるのか
- 「無意識にできる」は、努力をしなくていいという意味ではない
- 私が「一つを深く掘る」ことに価値を感じるようになった理由
- そして、ここからがFXメンタルの話になる
- 「勝てるようになりかけた人」ほど、次の壁にぶつかる
- 最後に──勝てる人になるために、何か特別なものが必要なのか
- もし今、手法を探し続けているなら
FXで勝てるようになる人は「たくさん知っている人」なのか
FXを始めた頃は、知らないことだらけです。
チャートの見方。
環境認識。
インジケーター。
エントリー。
損切り。
利確。
資金管理。
手法。
だから最初は、勉強することが大切だと思います。
私自身も、知らないことを一つずつ調べていきました。
ところが、ある程度知識が増えてくると、少し不思議なことが起こります。
知識は増えた。
手法も知っている。
インジケーターも知っている。
相場のことも、始めた頃よりは分かる。
なのに、
なぜかトレードの判断は以前より難しくなっている。
そんな状態になったことがありました。
「この手法ではこう見る」
「このインジケーターではこうだ」
「この人はこう言っている」
「別の人はこう言っている」
知識が増えるほど、頭の中の選択肢も増えていく。
そこで私は、
「知識を増やすこと」と「トレードが上達すること」は、必ずしも同じではないのではないか
と考えるようになりました。
東大理Ⅲの勉強法から感じた「型を極める」という考え方
私が今回紹介したいのは、東大理科Ⅲ類に現役合格した小田原光一さんの勉強法についての話です。
動画の中で特に印象に残ったのが、
「考えなくても感じられるレベルに持ち込む」
という考え方でした。
もちろん、これは受験勉強の話です。
でも、私はこれを聞いたとき、
「これ、FXにも通じるのではないか?」
と思いました。
FXでも、最初の頃はチャートを一つ一つ分析します。
これはトレンドか。
これはレンジか。
この形はどうなのか。
ここで入っていいのか。
損切りはどこか。
頭の中で一つずつ考えます。
ところが、一つの型を何度も見て、検証して、実践して、失敗して、また振り返っていると、少しずつ見え方が変わってきます。
以前なら、
「これはどう判断するんだろう?」
と考えていた場面で、
「これは違うな」
と自然に感じられる。
逆に、
「ここは待ってもいいかもしれない」
と感じる。
その感覚は、突然降ってくるものではありません。
その土台には、
何度も繰り返してきた経験と検証
があります。
FXの「直感」は、何も考えていないこととは違う
トレードを続けていると、
「なんとなく嫌な感じがする」
「ここは入りたくない」
「この形なら待ちたい」
と感じることがあります。
これを単純に「勘」と考えてしまうと、少し危険です。
私が思うのは、
熟練した人の直感の裏には、それまでの大量の経験が隠れている
ということです。
たくさんのチャートを見てきた。
失敗してきた。
検証してきた。
同じ形を何度も見た。
その積み重ねによって、
「これは自分の型とは違う」
という違和感を、以前より早く感じられるようになる。
つまり、
無意識の判断にも、ちゃんと土台がある
ということです。
だから私は、
「感覚でトレードすればいい」
とは思っていません。
むしろ逆です。
感覚に頼れるようになる前に、
感覚の土台になる「型」を育てる必要がある
のだと思っています。
私自身も、最初はルールを増やしていた
昔の私は、トレードルールがかなり多かったです。
フィルターも増やしました。
インジケーターも増やしました。
「これも見たほうがいい」
「これも確認したほうがいい」
と、どんどん追加していきました。
もちろん、その時期に学んだことが無駄だったとは思いません。
ただ、ある程度経験を積んでから振り返ってみると、
ルールが増えたから判断が楽になったわけではなかった
ことに気づきました。
むしろ、
「全部を確認しなければ」
と考えるほど、チャートを見ることが苦しくなる。
そして、いざエントリーしようとすると、
「この条件は満たしているけど、こっちはどうだろう?」
と迷う。
そこで少しずつ、
自分が本当に必要としているものだけを残す
という方向へ変わっていきました。
これは現在私が取り組んでいる「思考の棚卸し」にもつながっています。

手法を一つに絞るとは、「他を全部否定する」ことではない
ここは誤解してほしくないところです。
「一つの手法を深掘りする」
と言うと、
「他の手法を絶対に使ってはいけない」
と思われるかもしれません。
私は、そこまで強く考えていません。
相場にはいろいろなアプローチがあります。
トレンドフォロー。
逆張り。
スキャルピング。
デイトレード。
スイング。
プライスアクション。
インジケーターを使う方法。
それぞれに考え方があります。
問題なのは、
「何が自分に合うのか分からないまま、次々に乗り換えてしまうこと」
なのではないでしょうか。
少し負ける。
↓
「この手法はダメだ」
↓
新しい手法を探す。
↓
少し負ける。
↓
また別の手法へ。
これを繰り返していたら、一つの型を深く知る時間がありません。
だから、
「今の自分は何を軸にするのか」
を決める。
そのうえで検証する。
実践する。
記録する。
修正する。
そしてまた繰り返す。
その過程で、少しずつ「自分の型」が育っていくのだと思います。
「手法探し」が止まらなかった頃の私へ
私が本当に苦しかったのは、
「勝てないこと」
だけではありませんでした。
勝てないたびに、
「自分が選んだものが間違っていたのでは?」
と疑い続けていたことです。
だから、また探す。
もっと良いものがある。
もっと簡単なものがある。
もっと勝率の高いものがある。
そうやって、いつまでも探し続ける。
でも、それではいつまで経っても、
「自分のもの」
になりません。
この問題については、以前から私は何度も考えてきました。

もし今、
「手法を変えてばかりいる」
「新しい教材を見ると気になってしまう」
「今の手法を信じきれない」
という状態なら、一度こちらの記事も読んでみてください。
もしかすると、今必要なのは新しい手法ではなく、
「一つを深く掘る時間」
なのかもしれません。
型が育つと、ルールは少しずつシンプルになる
これは私自身が感じていることです。
最初は、
「こういう場合はこうする」
「ここではこうする」
「この条件があればこうする」
と、細かくルールを決めます。
でも、それを何度も繰り返していると、
「あ、これは違う」
と自然に分かる場面が増えてくる。
以前ならルールを一つ一つ確認していたところを、経験によって早く判断できるようになる。
そうすると、不思議なことに、
ルールを増やすのではなく、減らせるようになっていく
ことがあります。
私はこれが「型が育つ」ということなのではないかと思っています。
最初からシンプルだったのではありません。
たくさん経験したからこそ、
「これは必要ない」
と削れるようになった。
ここは、最近私が「思考の棚卸し」として書いた内容ともつながっています。
では、どうやって「型」を育てるのか
私が考える方法は、意外と地味です。
①まず、自分が使う型を決める
何でもいい、という意味ではありません。
自分が検証して、
「この考え方なら続けられそう」
と思えるものを一つ選ぶ。
②同じ型を繰り返し見る
チャートを見て、
「この形ならどうする?」
を何度も考える。
③結果を記録する
勝ったか負けたかだけではなく、
「なぜ入ったのか」
「なぜ見送ったのか」
「そのとき何を考えていたのか」
を残す。
④同じ失敗を見つける
「このパターンでは、いつも焦っている」
「この形になると、待てなくなる」
など、自分の癖を見つける。
⑤余計なものを削る
最後に、
「本当に必要なのか?」
を考える。
この繰り返しです。
派手さはありません。
でも、私はこういう地味な作業こそが、型を育てるのではないかと思っています。
「無意識にできる」は、努力をしなくていいという意味ではない
ここも大切です。
「無意識に判断できる」
と聞くと、
「考えなくても勝てる」
ように聞こえるかもしれません。
でも、私はそういう意味では捉えていません。
むしろ、
考え続けたからこそ、考えなくても判断できる部分が増えてくる
ということです。
スポーツでも、最初から自然に体が動くわけではありません。
何度も練習する。
失敗する。
修正する。
また練習する。
それを繰り返す。
その結果として、以前より自然に動けるようになる。
FXでも似たところがあるのではないでしょうか。
私が「一つを深く掘る」ことに価値を感じるようになった理由
以前の私は、
「もっとたくさん知れば、もっと勝てる」
と思っていました。
でも今は、
「知っていることを、自分が使える形にする」
ことのほうが大切なのではないかと思っています。
10個の手法を知っている。
でも、どれも中途半端。
それより、
一つの型について、
「この場面ならどうする?」
「この条件なら見送る?」
「この負け方は想定内?」
と何度も考えられるほうが、自分のトレードには役立つことがあります。
もちろん、これは私自身の経験から感じていることです。
すべての人に同じ方法が合うとは思いません。
ただ、
「増やすこと」だけが上達ではない
という視点は、持っておいてもいいのではないでしょうか。
そして、ここからがFXメンタルの話になる
一つの型を決めた。
検証した。
ルールも作った。
それでも、
「なぜか守れない」
ことがあります。
これがFXの難しいところです。
頭では分かっている。
でも、負けると焦る。
連敗すると不安になる。
勝つと、もっと取りたくなる。
少し調子が良くなると、
「これくらいなら大丈夫」
と思ってしまう。
つまり、
「正しいルールを作ること」と「そのルールを守り続けること」は別問題
なのです。
そして、ここから先が、私がこのブログでずっと書いてきた「FXメンタル」の領域になります。
ポジポジ病。
リベンジトレード。
損切りできない。
勝てるようになってからの焦り。
自分を責めすぎること。
これらは、単純に「意志が弱い」で片付けられるものではないと、私は自分の経験から感じています。
だからこそ、私は「手法」と「メンタル」を別々のものではなく、
自分の型を守るための両輪
として考えるようになりました。
「勝てるようになりかけた人」ほど、次の壁にぶつかる
少しずつ勝てるようになる。
無駄なエントリーが減る。
損切りもできるようになる。
「このままいけば、安定できるかもしれない」
そう思い始める。
ところが、そこから急に苦しくなることがあります。
もっと勝たなければ。
今月はプラスで終わらせたい。
せっかく積み上げた利益を減らしたくない。
そうした気持ちが、今まで守れていたルールを少しずつ変えてしまう。
もし今、
「勝てない頃より、勝てるようになってからのほうが苦しい」
と感じているなら、こちらの記事も読んでみてください。

このブログでは現在、まさにこの「あと一歩まで来たのに崩れてしまう」という段階についても掘り下げています。
最後に──勝てる人になるために、何か特別なものが必要なのか
私は、昔の自分にこう言いたいです。
「もっと探さなくてもいいかもしれないよ」
と。
もちろん、勉強することは大切です。
検証することも大切です。
改善することも必要です。
でも、
新しいものを探し続けることだけが、成長ではありません。
一つの型を選ぶ。
繰り返す。
失敗する。
記録する。
修正する。
また繰り返す。
その中で少しずつ、
「これは自分の型だ」
と思えるものが育っていく。
そして、それが少しずつ無意識の領域にまで落ちていく。
私は、それこそが「自分のトレードを身につける」ということなのではないかと思っています。
東大理Ⅲの小田原光一さんの勉強法から私が感じ取ったのも、まさにそこでした。
才能があるから最初からできる。
そういう話ではなく、
一つのものに深く向き合い、反復し、身体化していく。
その先に、
「考えなくても分かる」
という世界が少しずつ現れる。
FXも、同じなのかもしれません。
もし今、手法を探し続けているなら
あなたが今、
「もっと勝てる手法があるはず」
と思っているなら、無理にその気持ちを否定する必要はないと思います。
私も、長い間そうでした。
ただ、一度だけ考えてみてください。
「今の自分に必要なのは、新しい手法だろうか。それとも、今ある一つの型を深く掘る時間だろうか?」
この問いは、私自身のトレードをかなり変えてくれました。
そして、もしその答えが「一度、自分のトレードを整理してみよう」なら、こちらの記事もぜひ読んでみてください。

逆に、
「自分には、そもそも型がない」
「何を信じればいいのか分からない」
という段階なら、まずはこちらから。

そして、
「型はある。でも、なぜか自分で崩してしまう」
というところまで来たら、次に見直したいのはメンタルやルールの部分です。

私自身も、まだ完璧ではありません。
今でも迷うことがあります。
それでも以前と違うのは、
「もっと探さなければ」
ではなく、
「自分が決めたものを、もう一度深く掘ってみよう」
と思えるようになったことです。
FXで勝てるようになる道は、派手な近道ではないのかもしれません。
でも、
一つを選び、
深く掘り、
繰り返し、
自分のものにしていく。
そんな地道な道の先にも、以前とは違う景色があるのだと思っています。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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