「エントリーしないことには、皆さんが思っている以上の価値がある」
最近、改めてそう感じるようになりました。
少し前までの私は、チャートを開けば何かしら理由を見つけてエントリーしてしまうタイプでした。
仕事から帰ってきて、やっとチャートを見られる時間ができる。
「今日は何か取らないともったいない」
そんな気持ちがどこかにありました。
きっと、このブログを読んでくださっている兼業トレーダーの方の中にも、同じ感覚を持っている人はいるのではないでしょうか。
でも、ある時ふと気づいたんです。
見送りは、負けではない。
むしろ、
建値決済と同じ価値がある行為
なのだと。
(エントリーによるメンタル消耗がないということを踏まえると、実は建値決済以上の価値があるとすら個人的には思っています)。
トレードで一番大事なのは、言うまでもなく資金です。
その資金を減らさず守り抜いたという意味では、
見送り=引き分け=資金防衛の成功
と言ってもいいくらいの価値があります。
それなのに、なぜ私たちはエントリーしてしまうのでしょうか。
そこには、少し気づきにくい構造があります。
なお、エントリー衝動をどうとらえ、どう付き合ったらよいのか、こちらでも記事にしていますので、ご興味のある方はご覧くださいね。
なぜ人はエントリーしてしまうのか
理由は大きく二つあると感じています。
①見送りは「不作為」だから達成感がない
エントリーは行動です。
クリックしてポジションを持つ。
利益が出れば数字が増える。
「やった感」があります。
一方、見送りはどうでしょう。
ただ何もしないだけ。
つまり、不作為です。
お金を増やす行為をした実感がない。
だから脳は「価値のある行動」として認識しにくいんですね。
これがまず一つ。
②見送りはハイブリッド技術だから難しい
見送りは、単なる消極的行為ではありません。
実は二つの能力が必要です。
①テクニカル分析
危険な形、勝てるかもしれないがリスクがある形を見抜く力
②衝動制御
エントリーしたい欲求を抑える力
つまり、分析力 × 自制心という、異質な二つの能力が必要になります。
このハイブリッド性が、見送りを難しくしているんですね。
バイナリーオプションが教えてくれたこと
ここで、少し懐かしい話をさせてください。
このブログの読者の方の中には、バイナリーオプションをやっていた方もいると思います。
特に、ハイローオーストラリアに代表されるプラットフォーム。
あの取引画面、覚えていますか?
妙にワクワクするデザイン。派手な色。カウントダウン。
あれ、実は偶然ではありません。
人間の脳は、
- 光
- カウントダウン
- 即時結果
こうした刺激に強く反応します。
心理学ではこれを[即時報酬系]と言います。
結果がすぐ分かるほど、脳のドーパミンが出やすくなる。
だからバイナリーオプションは、
極めて射幸性の高い設計になっているんですね。
ちなみに、私はこのバイオプで散々ツールに散在した挙句、実際の取引でも何度も爆損。
悪夢の口座破綻を何度も経験しました。。。
でも、私は、あの取引で印象に残っている瞬間があります。
それは、ギリギリで引き分けになった時。
元本がそのまま戻ってきた瞬間。
あの時の安堵感。
「あぁ、助かった…」というあの感覚。
FXよりメンタルを揺さぶられるバイオプですから、引き分けの価値を、
FXと比較にならないほど強烈に再認識した記憶が、
いまだに私の脳裏に焼き付いています。
あれこそ、資金を守ることの価値なんですよね。
トレードの本質は、実はあそこにあるのかもしれません。
勝っている人ほどエントリーが少ない理由
これは不思議な現象ですが、
勝っているトレーダーほどエントリーが少ないです。
昔の私は、「チャンスを逃しているのでは?」と思っていました。
でも今は逆だと感じます。
勝てるようになるにつれて、エントリーが厳選されていく。
つまり、見送りが増える。
これは偶然ではなく、ほぼ必ず起きる変化です。
なぜなら、勝ち続けるトレーダーほど負ける形を知っているからです。
そしてもう一つ。
衝動の危険性を知っている。
だから、「ここはやらなくていい」という判断が自然と増えていきます。
エントリー衝動は「意志」ではなく「仕組み」で抑える
ここで正直に言います。
エントリー衝動を根性で抑えるのは無理です。
私も何度も失敗しました。
- 今日だけ
- もう一回だけ
- 今回は特別
この言葉で何度も自滅しました。
だから最近は、
衝動を抑えるのではなく、衝動が出ても動けない仕組み
を作るようにしています。
今日はそのマイルールを共有します。
エントリーを厳選するマイルール
①エントリー条件を「3つ」に固定する
条件が2つ以下だと、
人は都合よく解釈します。
だから私は
3つ揃った時だけエントリー
にしています。
1つでも欠けたら見送り。
これだけで無駄なトレードがかなり減りました。
②チャートを閉じる時間を決める
ダラダラ見ていると、
必ずエントリーしたくなります。
なので、
チャートを見る時間を決める。
例
・21:00〜22:00だけ
・ロンドン時間だけ
このルールだけでも衝動はかなり減ります。
※現在私は、主にNYタイムで取引をしています。
また、エントリー後30分経ってももじもじしている場合は、
いい波に乗れなかったと考え、いったん撤退するようにしています。
③見送りを「勝ち」として記録する
これ、意外と効果があります。
トレードノートに「見送り成功」と書くんです。
人間の脳は、記録された行動を強化する性質があります。
だから、見送りも成果として残す。
④連敗した日は「強制終了」
これは私の命綱ルールです。
2連敗したら終了。
理由は単純です。3回目はほぼ感情トレードになるからです。
⑤迷ったら見送り
最後はこれ。迷ったらやらない。
これだけでいいと思っています。
トレードは、チャンスを探すゲームではなく、危険を避けるゲームなのかもしれません。
見送りは、実は最上位の技術
最近思うんです。
トレードには段階があります。
最初は、
手法を覚える。
次に、
損切りを覚える。
そして最後に行き着くのが
エントリーを減らすこと。
つまり、
やらない技術。
これはテクニカルだけでは到達できません。
- 分析
- 自制
- 仕組み
すべてが必要になります。
だからこそ、「最上位の技術」なのかもしれません。
少し前までの私は、エントリーしない日があると
「今日は何もできなかった」と思っていました。
でも今は、「今日は資金を守れた」と思えるようになりました。
もし今、エントリーしたい衝動に悩んでいる方がいたら、
それは、あなたが弱いわけではありません。
人間の脳は、
行動したくなるようにできているからです。
だからこそ、意志ではなく『仕組み』で守る。
もしかすると、勝ち組トレーダーになるための一番の分岐点は
エントリーが増えることではなく、エントリーが減ること
なのかもしれません。
私もまだ道の途中ですが、
最近ようやくその意味が少し分かってきた気がしています。
本日も、お読みいただき、ありがとうございました。


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