「アナリストが“円安”って言ってたからショートしたら上がって爆損しました」
…そんな話、よく耳にしますが、実はこれ、かつての私自身のことです。
ある日、アメリカの政策についてテレビの経済番組を見ていたとき、著名なアナリストがこう断言しました。
「この流れなら円安方向ですね」
私は「なるほど、スイングでショートでいいじゃないか」と安易に構えてポジションを取りました。
…ですが、チャートは緩やかに上昇。
本来なら、損切りラインを事前に明確に定め、シナリオに従って動くべきでした。
しかしそのときの私は、ただ「たぶん下がるだろう」という“期待感”だけを根拠にしており、結局、損切りもできずにズルズルと含み損を抱えたまま、爆損を喫しました。
この失敗、実は「SNSでの情報に惑わされた」のとまったく同じ構造です。
要するに「自分の頭で考えていなかった」
もっと言えば、自分の分析軸やトレードロジックが“立っていなかった”んですね。
軸を持たずに生きると、心は他人に奪われる
たとえば──
自分はしっかり検証を重ね、期待値に基づいたロングをしている。
(※期待値=1回のトレードで発生する利益の平均値)
その最中に、有名トレーダーが「いまはショート」とSNSに投稿したとしたら?
「え?間違ってるのかな、自分」
……そんなふうに、不安になってしまいませんか?
これ、私にも何度もあった感情です。
でも、こうやって自分の軸がぶれるのって、結局のところ、「自分が苦労して獲得した期待値より、誰かの言葉を上に置いてしまった」からなんですよね。
しかもその“誰か”は、別に自分のトレードスタイルや資金力、生活背景を知ってくれているわけでもない、ただの「赤の他人」。
もちろん、FX仲間の投稿に「いいね」を押すのは否定しません。
それが「応援してるよ、頑張ってるね」の意味なら、むしろ素敵なやりとりです。
でも、あの「勝ってる風」なスクショや、「自分と真逆のエントリー根拠」は、見れば見るほど、あなたの軸をじわじわ侵食していきます。
だからこそ──
自分の座標軸を持つこと。
それが何よりも大事だと、私は痛感しています。
情報は“選んで”取りにいく
世の中には、有益な情報もあります。
でも、それを“見に行く姿勢”と、“受け入れる基準”があいまいなままでは、雑多なノイズに巻き込まれて終わります。
あなたにとって本当に必要な情報とは、
- 自分が苦労して掘り下げた期待値に基づくもの
- 師と仰ぐ人、あるいは同じロジックで実践しているトレーダーの発信
それだけあれば十分です。
どんなに稼いでいるトレーダーであっても、自分のやり方と根本が違えば、それはただのノイズ。
見ない勇気、距離を取る覚悟、ブレずに積み重ねる姿勢
それが、トンネルから抜け出すための本当の第一歩です。
もしそれができないのであれば、ご自身のために、SNSを見ない、やめる、というのも選択肢です。
「目移りしているうちは勝てない」それって本当だった
FXを始めたばかりのころ、私はまさに“手法ジプシー”でした。
SNSで紹介される新手法、インジケーター、著名かどうかもわからない勝ちトレーダーの一言一言…
「これもいいな、あれもいいな」と、まるでビュッフェのように片っ端から手を出していたんです。
でも今ならわかります。
それって、相場の本質に迫れていない証拠だった。
ただ「周辺」をなぞっていただけ。
そしてその背景には、「自分を信じ切れていない」という根深い不安がありました。
相場は難しいものではない、と思って取り組んでみよう
最後に、こんな仮説を立ててみませんか。
最短で物事をマスターしていく人って、みな“難しい”と思ってやっていないんです。大学受験界隈でも有名になった、ベストセラー作家で精神科医の和田秀樹さん(東大医卒)は、かつてご著書の中で、早慶に入るのは簡単と言い切っています。その原理はシンプル。合格に必要な分野だけを抽出して、猛特訓して、後は大胆に切り捨てる。それで、東大・京大などの超難関国立大学との併願で早慶を受ける受験秀才を出し抜いて合格するというロジック。
それと根本は同じです。
(なんで今まで気づかなかったんだ!と思ったあなた、大丈夫です。私はこのロジックを知っていたにもかかわらず、トレードで負け続け途方に暮れるまで、記憶のかなたにしまい込んで、応用できることに気づかずにいました。地図を持っていたのに持っていることを忘れて登山していたようなもの。情けないったらありゃしない(涙))
シンプルに捉えるから、相場は“簡単”だと思える。
だから、余計なインジケーターや〇〇理論とかに気を取られずに集中できる。集中したいから、ますます不要な情報は切り捨てる。
すると、分析する上でのノイズがなくなるから、相場を見たら、必要な情報がはっきり読み取れ結果が出る。
結果が出るから、自分のやり方に自信が持て、ますますやりこむことになり、最短最速で駆け上がっていく。

(精神科医の和田秀樹氏。先生のご著書の考え方を私自身受験時に活用させていただきました。)
もしあなたが、「あれもこれもやりたい」と思っているなら、焦らなくて大丈夫です。
別に“相場博士”を目指す必要が、今のあなたにはないからです。
まずは、一つの勝ちパターンだけでいい。
勝ち組に滑り込んでから、余裕があれば、トレードの幅はいくらでも広げられます。
だからこそ、今は「自分のスタイル」を徹底的に信じ抜いて、磨き抜いていきましょう。
結びに
これまでのあなたが、何度失敗していても大丈夫。
SNSで誰かが勝っていても、それはあなたの負けを意味しません。FXはゼロサムゲームではありますが、だからと言って、入学試験のように、SNSで交流している人達と競争するものでもありません。自分のスタイルを固め、そこから着実に、一歩一歩成長するだけ。自動車学校を卒業するのと同じです。補修が必要な人もいれば、一気に卒業する人もいる。卒業後、軽自動車で買い物するのに車を使うだけの人もいれば、プロのレーサーとしてスピードを競う世界に身を置く人もいるでしょう。自動車学校を卒業する(=勝ち組に入る)ことができたら、あなたの好きなように車と関わっていけばいいのです。
あなたがやるべきことはたった一つ。
“他人”ではなく、“自分”の声を聞き続けること。
どん底から勝ち組に向かう道の途中には、必ず“自分自身の座標軸の確立”という関門があります。
その関門を越えた先には、驚くほど静かで、迷いのないトレードの日々が待っています。
あなたにも、それはきっと手が届く場所にあります。今日も、お読みいただき有難うございました。
ご案内
自分が今あるのは、この先生のおかげだと思っているので、ささやかな恩返しをしたいと思っています。
聖杯探しに疲れ果てた私が、ようやく「これだ」と思えた教材です。SNSを見るたびに目移りしていた自分が、自分自身の座標軸を作るのに本当に有効でした。
遠回りしたからこそ刺さる、シンプルさの中に詰まった“勝ち続ける本質”。
実は今でも何度も見返し、学ぶたびに新たな気づきを得ています。──メンタル崩壊とも無縁の実戦バイブルです。とてもお安くあり得ないコスパなので、良かったらお手に取ってみてください。
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