あおり広告にまんまと踊らされ、高勝率をうたう商材を買いあさった日々
FXを始めてもう何年になるだろうか──。最初のころは、何を信じていいかわからなくて、ネットやYouTubeをさまよい、巷にあふれる「勝てる手法」に手を伸ばしては、負けて資金を減らし、また別の手法に飛びついて……そんなことを繰り返してきた。気がつけば、聖杯探しに翻弄されたまま、手元の軍資金だけが目減りしていた。
「この手法、勝率80%って書いてあるじゃないか」
「このインジケーター、10万円近くしたんだから、きっと稼げるはずだ」
……そんな希望は、何度も裏切られてきた。
でも、ようやくわかった。勝てない理由は“手法”ではなく、自分自身にあったということに。
なぜ勝率の高い手法でも勝てないのか?
まず、大前提として知っておいていただきたいのは、世に出回っている「高勝率手法」は、開発者自身が最も上手に使いこなしたときの限界値であるということ。
つまり、販売ページにある「勝率85%!」という数字は、開発者が環境認識をしっかり行い、その手法の“クセ”を熟知し、自分が得意とする相場を厳選して使用した上で出した結果だということです。
例えば、引退したイチローがもし、現役時代に草野球用の安いバットを使っていたとしても、そこそこの打率を残せたでしょう。でも、草野球の選手が、イチローが使っていたのと同じ規格の高級バットを使ったからといって、イチロー並みの高打率を残せるでしょうか? スイングスピードも、筋肉の付き方も、選球眼も、そして足の速さもスライディング技術も、なにもかも違うのですから、絶対に無理だと思います。
つまり、「手法」は道具であって、それを使いこなすスキルがなければ意味がないんです。
手法を「使える」ようになるには
私自身、かつては30万円近くする有料手法を買ったこともあります。10万円近くするサインツールも何本か購入しました。どちらも、当時は全然勝てなかった。でも、今になって使ってみると、「あれ? 普通に勝てるじゃん」と思える。
何が違ったのか?
環境認識の力。相場の流れを読む力。損切りを受け入れるメンタル。焦ってポジポジ病にならない自制心。……要は、自分の中身が変わったから、手法の性能を“引き出せる”ようになったのです。
手法は「最後のトリガー」にすぎない
ここは強調したいのですが、勝敗の7割~8割程度は、エントリー前の環境認識で決まると私は思っています。
手法というのは、環境を読み、エントリーを決意したときに「よし、今だ」と引き金を引くためのトリガーでしかありません。
それを「これさえあれば勝てる!」と過信してしまうと、すべてを手法任せにしてしまい、負けが続くたびにまた新しい手法を探し出す“聖杯探し”に戻ってしまうんです。
勝てる手法は、自分自身で育てるもの
世の中には「これが勝てる」と話題になる手法がいくつもあります。でも、それをそのまま鵜呑みにしても、自分の性格や考え方、トレードの癖に合わなければ、結局は使いこなせません。
たとえば、テニスの錦織圭がジョコビッチのプレースタイルを教え込まれたとしても、ジョコビッチそのものになれるわけじゃない。自分に合ったフォーム、自分に合った戦い方がある。
トレードも同じ。自分自身の性格や脳の得手不得手を知り、そこに合ったスタイルを築いていくしかないんです。
だからこそ、手法をひとつ見つけたら、とことん実戦で使ったり検証することでデータを集め、「傾向と対策」を導き出す。そしてそれをまた試し、出てきた結果を分析し、再度適用し、自分になじませ、自分の性格や生活スタイルでもスムーズに使いこなせるように調整をかける…こうしたフローを、歯磨きのように習慣化する。どうしてもあわないとか、この方が結果が出る、と数字で立証できる部分があるならば、自分流にアレンジして、自分の中に落とし込むもよし。それが、結果を出すための唯一の道だと断言できます。この過程で、相場観や、適切な損切設定といった関連スキルも、個人差はあれど、身につくと思います。一つの型を決めたら徹底的に反復する習慣から、様々な学びが得られるのは、茶道、陶芸といった文化・芸術から、野球の素振り、武道の型稽古、ピアノをはじめとした楽器の練習でも立証されています。学問の世界でも、ノーベル物理学賞を受賞した、東京大学特別栄誉教授の小柴昌俊さんが、生前、以下のようにおっしゃっています。

『物事を本質に向けて、どこまでも追求していけば、いろんなものが広く、深く、見えるようになっていきます。物事の本質は、どんな分野から追求していっても、集約された同じところにたどり着きます。あれこれ、世界を広げるために、手を広げようとしないことです。有限の時間がもったいないです。ぜひ、あなたの得意な一点を、どこまでも深く高く、遠くまで突き詰めてください。』
最後に─これまで負けていようが、必ず這い上がれる
ここまで読んでくださったあなたは、もしかすると私と同じように、何度も壁にぶつかってきたのかもしれません。
負けが続くと、「自分には向いてないんじゃないか」と思う日もありますよね。実際、私も何度もトレード画面を閉じて、「もうやめようかな」と思ったことがあります。
でも、今は思います。「あのときやめなくて本当によかった」と。
何度失敗しても、そこから“学ぶ”姿勢がある限りは必ず這い上がれます。相場における「負け」、とは唯一。戦意と軍資金を喪失し、再起への気力もわかず、相場から退場した時に下される判定です。あなたが、自分自身の可能性を信じ、自分ならやれる、と信念をもって取り組むなら、扉は必ず開かれます。
大切なのは、「また新しい手法を探す」のではなく、「今持っている手法を自分のものにする」覚悟。
それこそが、あなたを勝ち組へと近づける、第一歩です。
もし、この記事が少しでもあなたの気づきになったのなら、私はとてもうれしく思います。本日も、お越しくださりありがとうございます。
ご案内
自分が今あるのは、この先生のおかげだと思っているので、細やかな恩返しをしたいと思っています。
聖杯探しに疲れ果てた私が、ようやく「これだ」と思えた教材です。
遠回りしたからこそ刺さる、シンプルさの中に詰まった“勝ち続ける本質”。
私自身何度も見返し、学ぶたびに新たな気づきを得てきました。──メンタル崩壊とも無縁の実戦バイブルです。とてもお安くあり得ないコスパなので、良かったらお手に取ってみてください。
コメント