FXを続けていると、ある地点で必ず足が止まります。
それまで少しずつ前に進んでいたはずなのに、急に勝てなくなる。
自分なりの手応えがあった分、その落差に戸惑い、焦り、疑い始める。
私はこれを、最初のスランプと呼んでいます。
そして最近になって、はっきり思うようになりました。
この最初のスランプこそが、よく言われる「成長曲線のキャズム」、
つまり、急上昇する直前に必ず現れる谷なのではないか、と。
ここを越えられるかどうかで、その先に行ける人と、相場を去っていく人が分かれる。
今日は、そのキャズムの中にいるとき、私自身がどう考え、どう行動していたかを、少し丁寧に書いてみたいと思います。
最初のスランプは「才能がない証拠」ではない
まず大前提として、これは強く伝えたいのですが、
最初のスランプは、失敗の証ではありません。
むしろ逆です。
・基礎を覚え
・ルールを作り
・多少なりとも勝てる感覚を持った
この段階に到達したからこそ、初めてぶつかる壁です。
何も分からず負けている時期には、スランプは存在しません。
ある程度「分かったつもり」になったとき、初めて相場は牙を剥きます。
だからこのスランプは、次のステージに進むための関門です。
問題は、ここで多くの人が、間違った方向に努力し、深い霧の中をさまよい、気が付くと底なし沼にはまってしまうことです。
スランプ時、人はなぜ選択肢を増やしてしまうのか
負けが続くと、人は勝ちを渇望します。
すると、自然とこう考えてしまう。
「今のやり方が悪いのではないか」
「他に勝てる方法があるのではないか」
その結果、
・通貨ペアを増やし
・時間足を増やし
・エントリーパターンを増やし
・最終的には手法そのものを増やす
気づけば、チャートは情報だらけ、頭の中はノイズだらけになります。
しかし、キャズムに陥った段階で必要なのは、
幅ではなく、深さです。
選択肢が多いほど、人は迷います。
迷いは判断を鈍らせ、判断の遅れは負けを呼びます。
だから私がスランプ時にやったのは、真逆のことでした。
迷いを生む要素を、極限まで削る
私は意識的に、迷いの種を一つずつ潰していきました。
まず、基本に立ち帰り、狙った形しかエントリーしない姿勢を貫いているか、確認する。それが確認でき、しかも、実践や検証で期待値も把握しているなら、(いずれ期待値通りに収束するのだから)、差し当たっては大丈夫だと自分に言い聞かせるんですね。その次にやったことと言えば、ロングしかやらないことでした。
理由は単純で、私にとってはショートよりも、
ロングの方が「相手の心理」が読みやすかったからです。
上がる相場では、
「まだ押すかもしれない」
「ここは高値掴みではないか」
そうした疑念が溜まり、ある瞬間にそれが吹き飛びます。
その「戦意が折れる瞬間」が、私には見えやすかった。
スランプ時に大切なのは、
相場を当てることではなく、理解できる場面だけを扱うことです。
格好をつけない、ヒゲ先を狙わない
ヒゲ先を狙うトレード自体は否定しません。
理屈もありますし、損切りを詰められるメリットもあります。
ただ、スランプ中の私は、
それを「上手く見せたい自分」のためにやっていました。
だからやめました。
ヒゲ先を狙わない、というより、
自分を実力以上に見せようとする行為をやめる。
スランプ脱出に必要なのは、華麗な一撃ではなく、
地味でも再現性のある一歩です。
欲を捨て、手堅く利確する意味
スランプ時の「もう少し取れるかも」は、ほぼ罠です。
この時期、人は相場を見ていません。
自分の損失を取り戻す物語を見ています。
だから私は、利確を早めました。
満足するためではなく、次に進むためです。
小さくても、
「ルール通りやって、ルール通り終えた」
その成功体験を積み重ねることが、解像度を取り戻す近道でした。
なぜなら、メンタルそれ自身が生き物のように、活気づいたり、なえたりするので、常に手入れが必要と思っているからです。
5波を狙うという発想──敵が戦意喪失する場面
私がスランプ時に狙っていたのは、エリオット波動でいうところの、いわゆる5波です。
セオリー通りに言うならば、3波こそが一番おいしく、5波は、しっかり伸びないかもしれないし、利食いや敵のエントリーも始まる不安定な部分だといえます。しかし、これを私は、
相手がもう抵抗する気を失った場面
と捉えています。
3波は、どちらかというと、5波に比べ、かなり完成されて初めて3波だったかもと思うことが、私は多かった。もちろん、早く入れば、初動を取れるうまみはあります。
しかしそれは、ダマシに遭うリスクと表裏一体です。
キャズムの中にいるとき、
そのリスクを取る意味はありません。
「これで勝てなかったら、もう仕方がない」
そう腹の底から納得できる形だけをやる。
それが、メンタルを守り、判断をクリアにします。
得意な一つ以外、すべて捨てる
勝てる形の中でも、さらに絞りました。
私の場合は、エントリーの対象にしている形がザックリ3つあるのですが、その中で特に得意としている、上昇スパイクに限定するんです。
他のチャンスが見えても、見送る。
回数が減っても、構わない。
ここで重要なのは、
迷わない状態を作ることです。
迷わないから、判断が速くなる。
判断が速いから、相場の流れに置いていかれない。
解像度は、集中から生まれます。
師匠の講義を、気が済むまで反復する
スランプ時、私は新しい教材を探しませんでした。
代わりにやったのは、
師匠の講義を、気が済むまで反復することです。
私にとっては、ぷーさんの考え方でした。
すでに知っているはずの内容を、
「分かっているつもり」で流さず、
今の自分の視点で、もう一度噛み砕く。
特に、トレード動画などは数えきれないくらい復習して、師匠がこの局面をどんな風に見ているか、といったことが、手に取るようにわかるようになりました。
キャズムにいるとき、必要なのは新情報ではありません。
同じ情報を、違う解像度で理解することです。
蛇口を締めるという決断
私はこれを「蛇口を締める」と表現しています。
無駄なトレードを止める。
負ける可能性のある場面から、距離を取る。
水を出し続けながら、配管を直すことはできません。
一度止めるからこそ、流れが見える。
負けていた頃の自分と、真逆の選択
負け組だった頃の私は、
負けるほどに、広げていました。
あるパソコンで手法A合致を監視、その一方でもう一つのパソコンでサインツールを稼働、てな感じです(笑)
勝てるようになってからは、逆です。
苦しくなるほど、削る。
絞る。
閉じる。
かっこいいトレードではなく、負けないトレード。
華麗さではなく、結果。たとえて言うなら、順位を競うスポーツではなく、自分の所作を磨くことに集中する茶道や、伝統工芸品を製作する職人芸のようなプロセスに似ています。見つめるのは、自分自身。
地味であり、相対評価とは無縁の絶対評価の世界。自身が決めたロジックで、淡々と期待値を狙うのですから、手法も生き方も考え方も違う他のトレーダーと張り合うことには1ミリの意味もありません。それでは戦意が高まらないというなら、欲や見栄に負けて自分のスタイルを崩してしまったあの日の自分との戦いです。そして、
「これで負けたら、もうお手上げだ」
そう思える状態でエントリーできること。
それが、キャズムを越えるための条件でした。
最後に
最初のスランプは、敵ではありません。
それは、
「次の段階に進む準備はできているか」
と問われている状態です。
もし今、苦しい場所にいるなら、
何かを足すのではなく、
一つ、やらないことを決めてみてください。
私が紹介したことは、絞り込むためのヒントとして受け止める、くらいに理解していただき、もし、あなたなりにトレードを絞り込むすべが見つかったならば、それはあなたにとって一番の選択肢だと思います。自信をもって、絞り込みをしていただいて大丈夫です。
迷いを削った先に、必ず解像度は戻ってきます。
ご案内
自分が今、トレードをし続けられているのは、この先生のおかげだと思っています。
聖杯探しに疲れ果てた私が、ようやく「これだ」と思えた教材です。
遠回りしたからこそ刺さる、シンプルさの中に詰まった“勝ち続ける本質”。
私自身何度も見返し、学ぶたびに新たな気づきを得てきました。──メンタル崩壊とも無縁の実戦バイブルです。とてもお安くあり得ないコスパなので、良かったらお手に取ってみてください。


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