私の「天職」
ちょっとFXからは離れますが、私自身のことにも時折触れていこうと思います。私は、花屋の息子として生まれたものの、親からは割と自由に育ててもらいました。1歳から重度の喘息で、小学校の時は留年しそうになるくらい学校を休むレベルでした。その結果、いじめのターゲットになり、小学校の時は本当に嫌な思い出ばかりでした。いじめた同級生のことって忘れませんから、そいつらを見返したい一心で、中学校に入ると運動部に入り、勉学も猛烈に頑張りました。とにかく、いじめた奴らに隙を見せない、見返したい、そんな気持ちだけで生きていたように記憶しています。
ですが、運動神経がダメだったことから部活動では情けない結果しか残せませんでした。(後で知ったのですが、4歳までにどれだけ運動したかで運動神経はある程度決まってくるとのこと。結果が出なかったのも無理もありません…。)残るは「勉強」で、こちらでは結果を残すことができ、私の読み通り、いじめっ子からは一目置かれるように。これが、私としては初めての成功体験だったと思います。
サラリーマンを経て、家庭の事情があり、最終的に郷里に帰り、花屋の跡取り息子として本格的に家業にかかわることになるのですが、そこで、現在も続けているいわば「天職」と出会うことになります。それが、葬祭セレモニーの会場装花です。
私は、負けず嫌いな性格です。しかし、それが他人に向くこともあれば、自分自身に向くこともあり、昨日の自分よりわずかでも進歩していないとだめだと思うきらいがあります。こと仕事に関しては、完璧主義なんでしょう。その性格が、何かを究めていくことには向いているらしく、花屋の業務の中では、この分野だったということです。
この仕事のやりがいは二つあります。一つ目が、より良いものを作りたい一心で日々技術の研鑽に励んだ結果、本番で鳥肌が立つほどきれいな仕上がりになった時の達成感が半端ないということ。二つ目は、お客様が、大切な家族を亡くして悲しみに暮れる方々であるため、お花の出来栄えが良ければ大きく心動かされ、葬儀社を通じて喜びの声を伝えてくださいます。涙を流して感動されることもしばしばです。この瞬間は本当にうれしいなどという言葉では到底説明できない充実感、達成感、幸福感が体中を覆いつくします。
以下、ほんの一部ですが、私が作成した作品の画像です。







どこか研究者、職人、そうした要素が含まれる仕事です。トレードの世界と似ているかもしれませんね。そして、あえてスキルアップという側面で参考になることを探してみるならば、こうした作品は様々な技術の集合体であるということ。しかし、上達するためにはそれらを一度に習得しようとしては全然だめで、一つの技術に絞って、うまい人からTTP(徹底的にパクる)して、練習を重ねて、自分の技術としてなじませていくプロセスが求められます。そして、一つ習得したらまた一つ、という風に、先輩や上司から技術を盗むごとに、できることが増えていきます。
ただ、ぶっちゃけ、きれいな曲線(その前提としてきれいな直線も)を極めることができれば、どのようなデザインでも、理論的には攻略できます。そうした意味で、シンプルに考えて、一つを徹底的に攻略するということは、万事に通じる本質なのだと、職務経験からも確信を持って言えます。
トレードに通ずる「守・破・離」
少し前に守破離という言葉が流行りましたが、この分野の技術も、守破離が大切だと思います。上手な先輩・上司から技術を学び、落とし込み、再現できる(守)ようになったら個性を出してみる(破)。少し抑揚を普段より強めに出そうか、とか、グラデーションをもっと出すためにもっとこのゾーンは思い切って小菊の間隔をあけてみようか、とか。練習を重ね、常時同じパフォーマンスが出せるようになれば、その独自性は実戦で自信をもって表現することができ、カタログを見ながら作成しつつも、ある意味カタログより見栄えの良い(迫力だったり、繊細さだったり、人によって表れ方は異なります)商品が仕上がるという境地に達します(離)。
FXも本当にそこのところの理屈は似ていると思います。自分の軸となるシンプルなロジックを一つ持つとしましょう(この場合システムトレードは除外。裁量トレード限定の話です)。最初は先生が言われるとおりの場面で言われた通りのポイントを狙うことでも精いっぱいかもしれません(守)。しかし、そのロジックの中で先生が言っていたこの場面の狙い方だけに絞って、だれにも負けないくらい詳しくなろう、言い換えれば、その分野の「権威」になろう、くらいの思いで取り組んでいけば、やがて、その一点を磨いていく過程で、値動きの本質がつかめ、相場心理や、それが反映して現れるローソク足の動きがわかるようになり、当初思ってもみなかったような局面を狙う力がついていたりって普通に起こります(破)。そこで、その力は本当なのか、真偽を確かめるために、実弾や検証で同じ場面を狙い、やっぱり勝てると確信した時、師匠の教えを離れて、自分だけの境地を開拓することができるようになります(離)
まとめー仕事に向き合う姿勢と、根本は同じ
未熟なうちほど、あれも覚えたい、これもできたら格好いいなどと、いろんなことに手出ししたくなります。しかし物事は順序があります。花の世界でもそうです。供花がきれいに挿せないのに、ああいった祭壇は作れません。しっかり水平線が引けないのに、敵の損切ラインは読めないし、サポレジ転換だってわからないと思います。基本が大切だし、その基本をおろそかにせず、地道に極めていく道のりは、苦しいときもあるけれど、本質に通ずるパワーを秘めている。それは言い換えれば、一旦結果が出始めれば、そのスキルは時がたっても廃れることなく、末永く活用し続けられるということです…。そのことだけでも伝われば、本望です。
本日も、お読みいただきありがとうございました。
ご案内
自分が今こうして相場の世界で生き残っていられるのは、この先生のおかげだと思っているので、ささやかな恩返しをしたいと思っています。
聖杯探しに疲れ果てた私が、ようやく「これだ」と思えた教材です。先生のロジックを、ある場面で集中的に活用することで、浮上のきっかけを得ました。
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