私の住まいは、かなりの田舎です。よく言えば、大変自然豊かな土地で、自宅から外を眺めると、そのまま別荘地として通用するくらい(笑)。日頃街中で激務に追われていることもあって、休日の朝のウォーキングが、体調管理と心の洗濯を兼ねた私の日課となっています。
森や山に囲まれたコースを歩いていると、全身が自然に包まれ、鳥のさえずりに耳を傾けながら、最上級の森林浴を堪能できます。運がいいと、近くの小川を、目にもとまらぬ速さで、鮮やかなブルーが駆け抜ける…そう、かわせみです。(スマホで撮影したいと思って何度か構えましたが、全然撮れませんでした)。やがて、自然をめでるうちに心は少しずつ整っていく。トレードを行うようになってから、心の乱れにはとても敏感となったので、気分転換としても、私にとってはとても大切な時間です。
中でも、ひときわ心地よいそよ風のように耳に入ってくるのが、「イソヒヨドリ」のさえずり。本当に美しい声で、鼓膜が喜ぶさえずりと表現したくなります。私自身が録音したものはありませんが、せっかくなので、YouTubeにあがっていたイソヒヨドリのさえずり、しばしご堪能ください(笑)
ただ、実に不思議なもので、「今日はあのさえずりを聴きたいから歩きに行こう」くらいに意識して行かないと、多くの鳥のさえずりがひと塊となってサウンドとして聞こえてくるだけで、美しい音色にはなかなか気づけません。
あのさえずりを聴く…目的意識を持って歩いている時だけ、聞こえてくるんです。はっとする瞬間でした。FXにもまったく同じことが言えるなと…。
FXに限ったことではないですが、重要な気づきって、まったく関係ないことを考えたり、とてもリラックスしているときに、雷みたいに頭に降りてきます。逆に、必死こいて考えているときって、なかなかひらめいたり気づいたりっていうことは起こらないんですよね。頭を空っぽにして、リラックスしてウォーキングしていたからこそ、この気づきを得たと思っています。
負けてばかりいた頃の私は、「今日は勝ちたい」「とにかく取り返したい」とばかり考えて、チャートを睨みながら、あらゆる通貨ペア、時間足、インジケーターを使い倒していました。
スキャルに挑んだかと思えば、翌日はデイトレ。
トレンドフォローもやれば逆張りもする。
気づけば、自分が何を軸にしてトレードしているのか、さっぱりわからなくなっていました。
これ、ズバリ、「全てのチャンスを取りにいこう」としていたんですね。
でも、その姿勢が一番、勝ちから遠ざかる。
今だから言えますが、当時の私は、相場の神様に対して不遜であり、傲慢でした。相場が勝たせてくれる以外の勝ちって、本来ないはずで、手法は、既にあるチャンスを拾うアームみたいなもの。打ち出の小づちみたいに、手法の数だけチャンスがあり、利益を搾り取れる、なんてことはあり得ないですし、そのような欲深い心でいると、決まって、コテンパンに相場にむしり取られて、考えの浅はかさを思い知るだけでした。(自分が勝った場面、異なる手法を使う見知らぬ方も勝っていた、なんていうことが、xのポストでよく見受けられたことからも確信を持って言えます)。
このイソヒヨドリの鳴き声から得た気づきで、ようやく、何人もの著名なトレーダーが言っていた、「勝ちたいなら、一つに絞れ」が腑に落ちました。何年も前に言葉としては知っていたのに…です。
『人って同じことを教えてもらっても、腑に落ちるタイミングってみんな違う。いろいろと経験値が溜まってある水準に達した後、引き金となる出来事に遭遇したら、ようやく腑に落ちる。』なんか法則めいたものを悟ってしまった、俺、すげえ(笑)
私が相場で狙うのはただ一つ、
「上位足のトレンドの押し目・戻り目を、下位足で狙う」
この自分だけの決め事を、どんなに暇な相場でも、どんなに勝ちたい日でも、ひたすら守るようにしたんです。
すると、どうでしょう。
聴こえてくるんです。チャートの中に、待っていた“イソヒヨドリの声”が。
そしてそれに素直に従った時だけ、期待値に従った利益をいただける。
それ以外の場面はスルー。
悔しさよりも、見送れた自分自身のマインドをほめる気持ちが湧き起これば本物です!「これは違うな」と思って見送る癖をつけることは、ポジポジ病対策としても効果的だと思います。一つコツがあって、さっとチャートを見て、数秒で判断。違うと感じたらはねる。待っていた形に近ければ、黙っていてもおや?と瞬時に感じるので、その時始めてじっくり分析をすれば、うまくいくことが多いです。
勝つために必要なのは「値動き全部から利益をきわどくぬき取る力」じゃなくて、「取れる相場状況の時に、狙っている形が出現したら、確実にしとめる力」なんだと思います。なぜなら、あなた(自分自身)に必要なのは、ポジポジ病などのリスクを人より多く抱えながら、きわどくも格好よく勝つトレーダーになることではなく、愚直であろうが地味であろうが、とにかく”勝ち組トレーダーになること”だから。勝っているトレーダーの多くは、みな同じような形ばかりを狙っています。それはしっかり検証して、狙う形でトレードした時の期待値を知ったうえで、スロットを回すように淡々と相場に臨んでいるから。
その感覚を研ぎ澄ますには、決めた形を、”無意識レベルで高勝率な形を判別できるくらいに”実践と検証でひたすら反復し、絶対的な自信と期待値というお守りを手に、心静かに、狙った形を待つ。
一つに絞った手法が“聖杯”になるんじゃなくて、
「決めた一つを信じて待てる自分」が、少しずつ勝ち組へと近づけてくれるんです。もし聖杯というものがあるのだとすれば、それは、そういう心の在り方なんだと思うに至りました。
迷宮から抜け出した自分が、読んでくださっているあなた(=迷宮にいた頃の自分)に言えることがあるとすれば…迷った時は、自分が得意とする形は何なのか、そして期待値その他から見て、それは狙うに値するのか…この一点に立ち返って、考えてみてということ。
そして、納得いく答えが見つかったなら、あなたにとっての“イソヒヨドリの声”を、トレードの中でも探してみてください。
それが聴こえる頃、あなたもきっと「勝ち組の入口」に立っているはずです。
本日も、お読みいただきありがとうございました。
ご案内
自分が今あるのは、この先生のおかげだと思っているので、ささやかな恩返しをしたいと思っています。
聖杯探しに疲れ果てた私が、ようやく「これだ」と思えた教材です。
遠回りしたからこそ刺さる、シンプルさの中に詰まった“勝ち続ける本質”。一つの形を狙いすまして仕留める…今日のブログ内容とも通ずるものがあります。
私自身何度も見返し、学ぶたびに新たな気づきを得てきました。──メンタル崩壊とも無縁の実戦バイブルです。とてもお安くあり得ないコスパなので、良かったらお手に取ってみてください。
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