退屈なトレードほど、実はうまくいっている
「いいトレードは退屈だ」
この言葉、トレードを続けていると、なんとも言えず腑に落ちる瞬間があります。
うまくいっている時ほど、トレードは派手ではありません。
むしろ、驚くほど地味です。
チャートを開く。
条件を確認する。
違えば、何もしない。
ただそれだけ。
昔の自分なら、こんな時間は耐えられませんでした。
「今日は何かチャンスがあるはず」
「ちょっと早いけど入ってみるか」
「このパターンもいけるんじゃないか」
そんな風に、根拠を“後付け”してエントリーしてしまう。
そして大抵、そこから崩れる。
この経験、きっと多くのトレーダーが通る道ではないでしょうか。
実はこれ、意志の弱さだけの問題ではないようです。
人間の脳の仕組みが、そうさせてしまう部分もあるんです。
今日は少しだけ、脳科学と心理学の視点から「退屈とトレード」の関係を考えてみたいと思います。
人はなぜ「退屈」に耐えられないのか
人の脳には「報酬系」と呼ばれる仕組みがあります。
簡単に言うと、
刺激 → 快感 → また刺激を求める
というループです。
この時に働く神経伝達物質が「ドーパミン」です。
ドーパミンというと、成功したときに出るものと思われがちですが、実は少し違います。
「何か起こりそうだ」という期待の時に一番出る
と言われています。
つまり、
・エントリーする瞬間
・ポジションを持っている時間
・含み益が伸びていく時間
こういう時、脳はかなり強い刺激を受けています。
言い方を変えると、トレードは脳にとってかなり強いエンタメなんですね。
だから問題が起こります。
ルール通りのトレードはどうなるか。
ほとんどの時間は、
何も起きません。
ただチャートを見るだけ。
条件が揃わない。
だから見送る。
これ、脳にとってはかなりの「退屈」です。
刺激が少ない。
ドーパミンも出ない。
だから脳はこう囁きます。
「何かしよう」
「動こう」
「エントリーしよう」
これがいわゆる
ポジポジ病
の正体の一つとも言われています。
こうして読み進めてきた読者の方は、
ドーパミンは厄介だ
そう思われたかもしれません。
いいえ、ちょっと待ってください。
過去ブログの中に、このドーパミンとの
上手な付き合い方
ガッツリ書いています。
よろしければご覧くださいね…というか、
ぜひご覧ください(笑)
目から鱗、な発見があるはずです。
負けトレードは、だいたい「退屈逃れ」
振り返ってみると、負けトレードにはある共通点があります。
それは、
暇なときにやっている
ということ。
チャンスが来たから入ったというより、
・暇だった
・何もしていなかった
・刺激が欲しかった
だから入った。
これ、責める気持ちは全くありません。
むしろ、すごく人間らしい反応だと思います。
私自身、何度このパターンで崩れてきたか分かりません。
安定してきた
↓
トレードが減る
↓
退屈になる
↓
余計なエントリー
↓
崩れる
このループ、何度もやりました。
だから今くすぶっている人の気持ちも、少しだけ分かるつもりです。
勝ち組トレーダーは「退屈を受け入れている」
面白いことに、長く勝っているトレーダーの話を聞くと、似たような言葉がよく出てきます。
「トレードは待つ仕事」
「ほとんど何もしない」
「退屈な時間が大半」
これ、最初はちょっと信じられませんでした。
でも、少しずつ理解できてきました。
勝っている人は、
退屈を問題だと思っていない
んです。
むしろ逆。
退屈な状態こそ、
ルールが守れている証拠
だと分かっている。
だから、
退屈
=ダメな時間
ではなく
退屈
=正常運転
という認識になっている。
この感覚が身につくと、トレードはかなり変わってきます。
退屈を味方にするための小さな工夫
とはいえ、いきなり退屈を好きになるのは難しいですよね。
だから僕は、少しだけ考え方を変えるようにしています。
その考え方を述べる前に、「退屈」から「衝動」が発生する回路
ここに作用する、だれでもできる処方箋があるんです。
感情のコントロールに効果的な裏技
そんな㊙テクを、過去ブログで紹介しています。
こちらも、ご興味がある方は、こっそりご覧ください(笑)
① 退屈=資金を守っている時間
トレードしていない時間は、
「何もしていない時間」
ではなく、
資金を守っている時間
だと考えるようにしています。
無駄なエントリーをしなかった。
それだけで、実は大きな成果です。
② 退屈な時間を「観察の時間」にする
トレードしない時でも、
・チャートの動き
・相場の癖
・自分の感情
を観察していると、意外と学びがあります。
これをやっていると、
「暇」
ではなく
研究時間
に変わっていきます。
③ 刺激はトレード以外で満たす
これ、意外と大事です。
トレードで刺激を得ようとすると、どうしても無理なエントリーが増えます。
だから
・運動
・趣味
・読書
・仕事
など、刺激の出口を分散させる。
これだけでも、ポジポジ病はかなり減ると言われています。
退屈を受け入れられたとき、トレードは変わる
不思議なことですが、
トレードが安定してくると、
本当に退屈になります。
エントリーは減る。
チャートを見る時間も減る。
派手なことは起きない。
でも、
口座は少しずつ守られていく。
昔の自分からしたら、ちょっと拍子抜けするくらいです。
それでも今は、
「ああ、これが普通なんだな」
と感じています。
もし今、
・トレードが退屈に感じる
・エントリーが減っている
・見送ることが増えている
そんな状態なら、それはもしかすると
トレーダーとして一歩進んでいるサイン
なのかもしれません。
退屈は敵ではなく、
むしろ味方なのかもしれない。
そう思えるようになったとき、トレードは少しだけ楽になります。
そして気が付くと、
昔よりずっと穏やかな気持ちで
チャートを見ている自分がいるかもしれません。
焦らなくても大丈夫です。
僕たちはみんな、遠回りしながらここまで来ていますから。



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