〜東大理Ⅲの秀才が教えてくれた“無意識の使い方”〜
前編では、長嶋茂雄氏が松井秀喜を育てた“1000日計画”を通して、「潜在意識レベルに型を落とし込む」ことの大切さをお話ししました。
そして今回は、その理屈を別の角度から証明してくれる話(動画)を紹介したいと思います。
一貫して感じ取れたテーマは、「勝者は、これ、と決めたもの(勉強なら参考書に当たるがトレードだと手法に相当する)を鬼反復し自分の血肉にする、そしてその過程で驚異的集中力を発揮し、感覚的に理解するレベルまで到達している」という事実。
これを知ったとき、私はゾクッとしました。
「これ…FXにもそのまま使えるではないか!」と。
20分も余った東大英語──小田原光一氏の衝撃
以前から、物事を習熟するにあたり、分野は違えど共通するメソッドがあるはずだと感じていた私は、ある日、とあるYouTube動画に出会いました。。
タイトルは「東大英語20分余り!?異色の経歴を持つ男の学生時代の英語勉強法とは?」。なんと、東大理科Ⅲ類を滑り止めとして受けたという、もはや私のような凡人には意味不明の人物がいるというのです。
小田原さんは、東大理科Ⅲ類(いわゆる医学部)に現役合格した、いわば“受験の天才”の一人です。
驚くべきは、その「学習能力の驚異的な高さと速さ」。東大英語で、20分も余るなんて普通はありえません。有名な予備校の講師でさえ、時間が足りないというほどの代物。
ところが彼は、中3時には、大学受験を志した人ならだれもが一度は耳にするであろう、伝説の単語帳、「ターゲット1900」レベルの英単語を習得済で、高2で既に理Ⅰ、理Ⅱの合格水準に到達する、驚異的な英語力を獲得したといいます。
彼は、幼少期から、生活環境や自身の気づきによって幸運にもごく自然に手に入れた、圧倒的集中力(=没頭力といもいえる)によって、いわゆる名門高校にいたわけでもないのに、超人的学力を手に入れていたのです。だから、本人は苦痛と思っておらず、楽しむような感覚で学力を向上させていったことが、動画から伺い知れます。
これはもう「ゾーン」とか「無の境地」と呼ばれるレベルでのパフォーマンスとしか言いようがありません。
動画の15分16秒あたりから、彼はこう語っていました。
「構文の知識を使って分析して初めてわかるんだったら、それは遅すぎる」
「考えなくても感じられるレベルに持ち込む」
……これ、完全に“無意識で処理している”状態なんですよね。
習熟の先にある「考えなくても分かる」世界
この動画を観たとき、私はハンマーで頭を打たれたような衝撃を受けました。
「あぁ、トレードも、まさにこの領域を目指すべきなんだ」と。
チャートを見て、「これはダメだな」「ここはチャンスだ」と直感で判断できる──
けれどその直感は、一つの型を極めるために、膨大な検証・失敗・反省・記録・反復練習をやりぬいたものだけが、入ることを許される領域というものがあり、そこに身を置いた時にしか生まれない。
感覚の礎には、ちゃんと「型」がある…。
そして、その型は、繰り返し練習することでしか“無意識”に落とし込めない。
まさに、前編の長嶋監督と松井の関係と同じ。
「ピュッという音がしたらOK」=「このチャートの波形なら入る」──感覚的な領域への到達。いろんなチャートパターンやインジケーターに目移りしているうちは、到底たどりつけません。
森田敏宏氏の「能力の差は脳の使い方」
小田原さんの集中力の裏にあるもう一つの視点、それが「脳の使い方」です。
東大ドクターとして有名な森田敏宏先生は、こんなふうに言っています。
「人間の脳に大差はなく、使いこなす技術があるか否かの差でしかない」
「その正体は“集中力”であり、それが能力の差として現れているだけ」
ナポレオンもアインシュタインも、IQは、普通の人より高いとはいえ、140~160前後。
とんでもない天才と呼ばれる人でも、“人間離れ”しているわけじゃない。
脳という道具を、どう使っているか。
もっと言えば、どこまで「集中を深めた状態」を日常化しているか──それが鍵。
トレーダーも、“無”で動けるようになる
あなたのトレードルールは、いま何項目ありますか?
私は昔、20項目くらいありました。フィルターもいっぱい。インジもたくさん。
でも、今は違います。
自分の中で“型”が育ってくると、自然と項目が減っていくんです。
──逆張り禁止
──伸びきった先では入らない
──トレンド中はプルバックを待つ
そんなルールで自分を縛りつけていたのが、やがて、「考えなくても体が拒否反応を示す」ようになる。
これが、無意識で型を再現するということ。
小田原さんのような“20分も余る集中力”とまではいかなくても、私たちも“集中した状態で正しい選択をする”ことはできるんです。
感じるトレーダーになるために
ある専業トレーダーが言っていました。
「最終的には、ルールなんて”損切りをちゃんとする”だけでいいって境地になる」と。
それだけ聞くと危険思想に見えますが、その裏にはものすごい数の検証と記録がある。
無意識に“違和感”を感じたら、トレードを見送る。
それを可能にするのが、型の蓄積。そして感情の自覚。
私も、トレードノートに「感情面」を記録するようになってから、明らかに負け方が変わりました。
・なぜそのとき焦ったのか
・どんな期待をしていたのか
・エントリー前の体調や気分
それらを“観察”することが、無意識の精度を高める訓練になっていたのです。
勝つために必要なのは、才能ではない
小田原光一さんの話は、決して私たち凡人を落ち込ませるためのものではありません。
むしろ、こう言っているように聞こえるのです。
「脳みその鍛え方さえ知っていれば、誰でもこの領域に近づける」
FXも、そうだと思います。
天才的なひらめきや、特別な情報網ではなく、
自分の脳の扱い方、意識と無意識(潜在意識)の連携、そして“型を育てる習慣”。
遠回りに見えるかもしれません。でも、それが一番の近道です。
あなたも、必ずその境地にたどり着けます。
焦らず、腐らず、今日も少しずつ、自分の型を育てていけばいい…。
勝ち続けられる体質は、これと決めた手法を一点集中で深掘りし、それとともに、実践と検証を経て構築したマイルールをしっかり守りながら、たゆまぬ努力を続けた末に、潜在意識レベルで判断できる領域が増え、一定の高みまで到達した人間に、気づいたらもたらされているものとすら思っています。決して、選ばれし特殊な才能を持つ人にしか持ちえない体質ではないということです。今日も、お読みいただきありがとうございました。
ご案内
自分が今あるのは、この先生のおかげだと思っているので、細やかな恩返しをしたいと思っています。
聖杯探しに疲れ果てた私が、ようやく「これだ」と思えた教材です。
遠回りしたからこそ刺さる、シンプルさの中に詰まった“勝ち続ける本質”。
私自身何度も見返し、学ぶたびに新たな気づきを得てきました。──メンタル崩壊とも無縁の実戦バイブルです。一つの型を集中して反復し、育てるー今日のブログの内容とも関連するところがあると、個人的には思っています。とてもお安くあり得ないコスパなので、良かったらお手に取ってみてください。
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