先日、ずっと探していた——もはや“幻の名酒”といっても過言ではない——ニッカのフロム・ザ・バレルを、ついに入手しました。あれです。四角くてずんぐり、あの独特の存在感。棚に並んでいた瞬間、思わず二度見して、レジに直行しました。いや、本当に売ってたんですよ。都市伝説だと思ってたのに。

FXを始めた頃、迷晴れFXさんがこのウイスキーを紹介していて、それが初めて知ったきっかけでした。勉強し、もがき苦しんでいた時期に、迷晴れさんの“静かな情熱”にどれだけ救われたことか。あの時期の私にとって、フロム・ザ・バレルは「いつか自分もあの世界に近づきたい」という象徴みたいな存在でした。
そして手に入れた今回。どう扱うかは、すぐに決めていました。
“これは、ただ飲む酒じゃない”
以前のブログ(脳を味方につける小ワザ)でも書きましたが、私はウイスキーを「脳の報酬系へのアプローチ」として使っています。いわゆるドーパミン・リワイヤリング。
──自分の脳を“勝てる脳”に作り替える小さな工夫。
そして今回のフロム・ザ・バレルは、その最上位報酬です。
(サントリ―ローヤル愛とはまた別の話。ローヤルはローヤルなりの魅力があります)
せっかくだから“これまで苦手にしていた、あるルール”。
それを守れた時だけ開封する。
そんな、ご褒美の頂点として使おうと思案していたのです。
どんなルールか?
それは秘密。
開封できたら、記念にまたブログに書きます。
フロム・ザ・バレルという“塊”が教えてくれること
フロム・ザ・バレルの特徴は、初谷氏のブログ「ウイスキーの教科書」にうまくまとめられていますが、本当に唯一無二の個性であり、かつ、非常に興味深い。
・発売は1985年
・世界的にも評価されてきた名ボトル
・印象的な四角いデザインは佐藤卓氏
・“強くて濃いウイスキー=小さな塊”をイメージ
・宮城峡と余市の原酒が生む華やかさと骨太さ
・旧型カフェ式蒸留器のグレーンによる複雑味
・ブレンド後に再熟成(マリッジ)させて完成
・加水は最低限、度数51%というハイプルーフ
“小さな塊”というコンセプト、単純に、いい響きだなと思いました。
トレードも結局、強くて濃い“自分の塊”を作る作業なのだと。
外から見るとスマートなことをしているように見えるけど、
実際は、
・失敗のマリッジ(熟成)
・ルールの再構築
・弱点の練り直し
・そして、少しずつ骨太になっていく自分
こういう地味な積み重ねなんですよね。
それは、トレーダーによっては螺旋階段状といった表現もされることが多いですが、フロム・ザ・バレルが再熟成を経て“良い塩梅で馴染みよくまとまる”過程とどこか似ています。
手に入らないから価値がある
フロム・ザ・バレルは今やほんとに入手困難。
定価販売はまず見かけず、だいたい6,000円〜8,000円台後半。
見つけても、手を伸ばすかどうか迷う価格帯。
でもね、私はこう思うんです。
「簡単に手に入るご褒美では、脳は変わらない」
トレードも同じ。
“簡単にできるルール”を守っていても、脳は強くならない。
ご褒美は、
「守るのが苦手な、あのルール」
「つい破ってしまいがちな、あの罠」
それを乗り越えた時にこそ、刺さる。
だから私は、フロム・ザ・バレルを“脳を育てる装置”にすることにしたのです。
私自身、まだまだひよっこ
正直に言えば、私自身、まだまだ未熟です。
迷ったり、焦ったり、やらかしたり。
そのたびに、トレードとは結局“自分との対話だ”と思い知らされます。
でも、ドーパミン・リワイヤリングを続けてきて、確かに感じることがあります。
「脳は変えられる部分もある」
「クセは書き換えられる」
「そして、その積み重ねは裏切らない」
今の私は、
・ルールを少しずつ守れるようになった
・負けた後の反応も穏やかになった
・勝ち負けの波に振り回されない日が増えた
・そして、ほんの少しだけ“勝ち組の視点”が見え始めた
ほんの少しだけ。
でも、その“少し”が、地味に大きい。
開封の瞬間は、未来の自分へのメッセージ
まだ封を切っていないフロム・ザ・バレル。
棚の上で、ずっしりと存在感を放っています。
見るたびに思うんです。
「このボトルを開ける日、今の自分はもういない」
もっと落ち着いた視点で相場を見られるようになっている。
感情で手を出さず、冷静に淡々とやれている。
“守れなかった自分”とは違う場所にいる。
だから、私はこのボトルを簡単に開けたくない。
この一本は、
私が“変わりつつある途中”の証として、もうしばらく置いておきます。
いつか守れたら、その時に報告します。
その時のウイスキーの味は、きっと今想像しているものとは違うはずだから。
ご案内
自分が今、トレードをし続けられているのは、この先生のおかげだと思っています。
聖杯探しに疲れ果てた私が、ようやく「これだ」と思えた教材です。
遠回りしたからこそ刺さる、シンプルさの中に詰まった“勝ち続ける本質”。
私自身何度も見返し、学ぶたびに新たな気づきを得てきました。──メンタル崩壊とも無縁の実戦バイブルです。とてもお安くあり得ないコスパなので、良かったらお手に取ってみてください。

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